2026年に向けて米連邦準備制度理事会（FRB）は慎重な金融政策運営を行うだろうとの見方が広がるなか、現地時間12月10日、FRBは利下げを決定した。これは3会合連続での利下げとなる。
政策金利25ベーシスポイント引き下げ、FOMCにおいて賛成9：反対3で可決
連邦公開市場委員会（FOMC）は、政策金利の誘導目標を25ベーシスポイント引き下げ、3.5％～3.75％のレンジとする決定を賛成9：反対3で可決した。10月会合では、3.75％～4％のレンジへと引き下げられていた。
3人のFOMCメンバーが反対票を投じるのは2019年9月以来初めてである。FRB理事のスティーブン・ミランは50ベーシスポイントの引き下げを支持し、シカゴ連銀のオースタン・グールズビー総裁とカンザスシティ連銀のジェフリー・シュミッド総裁は現状維持を支持した。
政策見通しを示す「ドット・プロット」では、2026年の利下げは1回との予測
FRBの政策見通しを示す「ドット・プロット（金利予測分布図）」は、2026年には25ベーシスポイントの利下げが1回行われ、2027年にも同程度の利下げが1回あり、結果として目標レンジは3％～3.25％に達するとの予測を示した。
FRBによる声明は、「追加調整の範囲とタイミング」を考慮するという文言に修正された。この文言をFRBが最後に使用したのは2024年12月のことであり、その後FOMCは2025年9月まで利下げを承認しなかった。
2026年のいつ利下げを行うか？
市場は、ジェローム・パウエルFRB議長が今後の利下げをどう説明するかに注目している。ゴールドマン・サックスのアナリストは先日、パウエルがさらに利下げをするための「ハードルは上がった」と示唆するだろうとの予想を示しており、5人のFRB理事が追加利下げに慎重な姿勢を示すと見ている。
次に予定されている1月のFOMCで利下げが行われる可能性は低いとされており、CMEのFedWatchツールは、金利が据え置かれる確率を72％としている。予測市場も据え置きを支持しており、ポリマーケットでは1月、3月、4月の各会合で金利が据え置かれる確率をそれぞれ74％、60％、59％としている。一方、ゴールドマン・サックスのアナリストは、今後の経済データが悲観的な見通しを示す場合、1月の利下げは「適切となる可能性がある」と述べた。
