イーロン・マスクは米国時間12月9日のインタビューで、トランプ政権が連邦政府の支出削減を目的として立ち上げ、彼自身が提案し、後に主導した取り組みである政府効率化省(DOGE)が「いくぶん成功した」ものに過ぎず、再び取り組むつもりはないと語った。
マスクは9日に公開された『The Katie Miller Podcast』に出演し、DOGEでの取り組みは成功だったのかと問われ、「少しは成功した」と答えた。
マスクは改めて、そのプロジェクトは「いくぶん成功した」と述べ、「本当に意味をなさない多くの資金提供を止めた」と主張した。
彼は具体的な説明を示さないまま、政府から支払われている資金のうち2〜3%は「本来支払われるべきではないものだ」と述べ、「それを止めるのは実際かなり難しい」と語った。
トランプ政権下で大統領次席補佐官を務めるスティーブン・ミラーの妻であるケイティ・ミラーが、もし過去に戻れるなら再びDOGEに取り組むかと尋ねると、マスクは「いや、そうは思わない」と答えた。
「DOGEに取り組む代わりに、自分の会社で働いていただろう。そうすれば、(彼がトランプ政権での仕事を始めた2025年初頭に発生した)テスラ車が燃やされるようなことにはならなかっただろう」と述べた。
またマスクは、DOGEという名称について「インターネット上の提案に基づいて作られた名前」であり、当初は政府効率委員会(Government Efficiency Commission)と名付けたかったとも指摘した。
ワシントンD.C.での時間が彼を幻滅させたかどうか問われると、マスクは「最初から特別に幻想を抱いていたわけではない。政府が行うことは可能な限り少ないほうが良いと思っていただけだ」と答えた。
そのうえで彼は、米国へ「膨大な数の」移民が入国し金銭を受け取っており、「市民権を迅速に取得している」といった根拠のない主張を展開した。さらに彼は、根拠を示さずに、こうした移民が「政府からの給付に依存し、急進左派に投票している」と主張し、ニューヨーク市長のゾーラン・マムダニとミネソタ州選出の下院議員イルハン・オマルは、米国生まれではない「大多数の人々」によって選ばれたと述べた。
しかし、オマルがソマリア出身者の「大きな集団」によって選出されたというマスクの主張を裏付ける証拠は存在せず、彼女が約50ポイント差で勝利した選挙区の人口統計では、居住者の61%が白人である。
DOGE自身が推計した、同省による政府支出の削減額は2140億ドル(約33兆4400億円)だ。この金額は、マスクが当初目標としていた2兆ドル(約312兆円)よりも大幅に小さく、後に示された1兆ドル(約156兆円)という修正された目標額よりも少ない。しかし、DOGE自身の数字にも誤りが多いことが指摘されており、複数の報告が、その「節減額」が過大に計上されていると述べている。



