電気料金の高騰が家計を圧迫する中、料金を抑える一つの有効な手段として新電力会社への移行が注目されている。2016年の電力自由化以降、多様なサービスが登場しているが、実際の利用率はどの程度で、利用者は何を重視し、どのような不安を抱えているのだろうか。
MMD研究所が実施した「2025年新電力に関する調査」から、新電力利用者の実態が見えてきた。
現在、契約している電力会社について調査したところ、大手電力会社の契約割合が56.9%であるのに対し、新電力会社は27.8%という結果であった。新電力が3割弱の市場シェアを獲得していることは、料金を抑える手段として新電力の存在感が増していることを示している。

新電力会社のなかで最も利用率が高かったのは、5.0%を獲得した「auでんき」。次いで「東京ガス」が4.7%、「ソフトバンクでんき」が2.7%と続き、特に大手通信キャリア系やガス会社といったネームバリューのある新電力が上位を占める結果になった。
新電力会社を利用者が重視する要素は、いずれの会社でも「料金の安さ」が最上位を占めているが、auでんきやソフトバンクでんきといった大手通信キャリア系の新電力会社では、料金の安さに加えて「ポイントの還元率」が上位にランクインしている。通信料金とのセット割や、日常の買い物で貯まるポイントとの連携といった戦略に、利用者もハマっているようだ。

とはいえ、新電力会社への移行を検討する人が最も気になるのは、「本当に大丈夫なのか」ということ。契約時に不安に感じたことについて尋ねたところ、新電力5社(auでんき、東京ガス、ソフトバンクでんき、大阪ガス、ENEOSでんき)の利用者全体で、「特に不安だったことはない」と回答した利用者が約半数以上を占めた。

不安を感じた人が挙げた理由としては、「料金が途中で上がる可能性」や「供給電力の安定性」が上位を占めているが、、多くの利用者は契約に至る過程でその不安を払しょくできていると言えよう。新電力会社への移行を検討している人にとって、こうした利用者の声は大いに参考になるはずだ。

出典:MMDLabo「2025年新電力に関する調査」より


