この食事会の様子を、ライターの堀田ナホさんは、TDCのウェブサイト「東京ディープチャイナ」で次のようにレポートしている。一部抜粋してお伝えしたい。
〈四川と湖南と雲南の辛さ食べ比べ会、ついにスタート! 活気ある厨房ではスピーディーに準備が進み、前菜から運ばれていきます。
まずは、プリプリの海鮮がたっぷり入った「海鮮ミックス旨辛ソース漬け(撈汁海鮮)」。いきなり、青唐辛子と赤唐辛子のダブルパンチの洗礼を受けます。口に入れた瞬間、あちこちの席で「おおお~!」「辛い~!」と、どよめきが起きました。しょっぱなからこの辛さ、どうなってしまうのでしょうか?!>
<今回いちばん辛かったのは、ズバリ湖南料理の「ピータンの青唐辛子和え(擂辣椒皮蛋)」でした。青唐辛子が大好きな私ですが、噛んだ瞬間、思わずのけぞりました。辛さに驚く声があちこちから聞こえてくるたび、すごい会に来てしまったな~、と隣席の方と目が合い、笑いました。
恐る恐る食べては数秒間かまえ、次の瞬間に天井を見上げる。はたして辛いのか、ツラいのか(笑)、食べ比べ食事会は、容赦なく進んでいきます。
この「ピータンの青唐辛子和え」は、すり鉢のような器に入った素材を木の棒で叩いていてからいただくのですが、その様子は、タイ料理のソムタムをつくる感じと似ています。
青唐辛子を叩いたことで、さらに辛さが爆発しているようなイメージでしょうか。いま思い出しただけでも、口の中にあの辛さが蘇ってきます。でもまた食べたい! と思ってしまう中毒性。恐るべし湖南料理です>
ちなみに四川と湖南と雲南の辛さの違いとは、簡単に説明すると次のようなものだ。
四川料理は、痺れをベースにした香り高さ(麻辣)で知られ、主な調味料は花椒や乾燥唐辛子、牛脂、豆板醤など。
湖南料理は、ストレートで強度のある辛さと発酵食材をいかした酸味が特徴、油分は控えめで、生唐辛子や発酵唐辛子、発酵黒豆などが使われる。
雲南料理は、さわやかな酸味をともなう辛さと風味で知られ、生唐辛子やトウガラシの酢漬け、レモンやレモングラスのハーブなどが味を特徴づけている。


