サイエンス

2025.12.11 18:00

恐竜絶滅後も生き残った「世界最大のウミガメ」、直面する現代の脅威

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長寿と典型的な老化兆候の欠如

オサガメは、老化が顕著に抑制され、その進行が遅くなっていることを示唆する、いくつかの主要な特徴を示す。実際、多くの種のウミガメの寿命は60~100年におよぶ。注目すべきは、老化に伴う生理機能の低下がほとんど見られないことだ。

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比較加齢学研究から、カメは概して老化の速度が極めて遅く、老化による身体的な悪影響がほとんど見られないことがわかっている。これには、以下のような生物学的要因が関与していると考えられる。

・体のサイズと比較して、代謝速度が相対的に遅いため、細胞ストレスが軽減される
・体が大きいため、捕食者から身を守りやすく、身体機能の長期的メンテナンスシステムが進化する余地がある
・頑健なDNA修復システムをもち、ゲノムへのダメージを軽減している
・がんへの抵抗性が強い
・テロメア短縮の速度が遅く、細胞機能が長く維持される

オサガメの代謝需要(体が活動するために必要とするエネルギーの量)は、ほとんどのカメと比べて相対的に大きいものの、生物学的特徴を総合的に考慮すると、オサガメは、見事なまでに長寿命に最適化されているようだ。長期的な耐久性の高さは、オサガメの系統がいくつもの大量絶滅を乗り越えて生き続けてきた、主な要因の一つかもしれない。

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生存について、オサガメが教えてくれること

数千万年から数億年の歳月を生き抜いてきた種は、ただ適応形質を備えているだけではない。彼らは、形態的特徴を一つの生息環境に最適化するというより、むしろ変化に対処する能力を進化させてきた。しかし今、オサガメは太古の祖先が一度として経験したことがない、数々の現代の脅威に直面している。例えば、次のようなものだ。

・プラスチック汚染
・漁業による混獲
・沿岸開発
・砂浜の高温化による性比の偏り
・獲物の個体数や分布の変化
・卵の密採集

国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストにおいて、オサガメは地域個体群ごとに、危急(VU)から深刻な危機(CR)までの評価を受けている。進化がもたらした最大級の皮肉がここにある。小惑星衝突や氷河期を生き抜いてきたオサガメの系統は今や、プラスチックのストローのような、地質学的に見ればつい最近登場したばかりの脅威に対して苦戦を強いられているのだ。

それでもオサガメは、種が生き残るためには、時として、数億年にわたって有効だった戦略に固執しなければならないことを示唆している。彼らは、今でも祖先と同じ砂浜に産卵し、祖先と同じルートで回遊している。ヒレ状の四肢を動かす優雅なその泳ぎ方は、巨大な海生爬虫類が地球の海を支配していた頃、彼らの祖先がしていたのと同じ動きだ。オサガメはそんなふうにして、今も生き続けているのだ。

forbes.com 原文

翻訳=的場知之/ガリレオ

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