テクノロジー

2025.12.11 11:30

AIに身体を与える――なぜロボットは今これほど急速に進化しているのか

Photo by Tang Yanjun/China News Service/VCG via Getty Images

ハイブリッド構成などの技術革新により、新興企業が創業から18カ月で試作機を完成

ヒューマノイドロボット企業FoundationのCEOであるサンケット・パタックは、創業から18カ月で、同社がヒューマノイドロボットのプロトタイプを持つに至ったと私に語った。それも単なる基礎的な試作機ではないという。同様の話はApptronikからも聞いているし、現在、他社のどのロボットよりも滑らかかつ高速に走り、動いているように見えるロボットを手がけるFigureも、創業からわずか2年あまりの企業だ。

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とはいえ、ヒューマノイドロボットを人間と同じ空間に投入することは、依然として難題であり、とりわけ安全性への懸念が大きい。

質量を持つロボットの失敗は物理的な破壊や事故を招く

デジタル上のAIとは異なり、現実世界のロボットによるミスは、現実世界における結果をもたらす。それは、大規模言語モデル(LLM)で見られるような「ハルシネーション(幻覚)」の類とは性質が違う。

「物理世界では、行動はしばしば取り返しがつきません……単に文を間違えたという話ではないのです」とギルバートはいう。「それは潜在的に、壊滅的な物理的動きになりかねません」。

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一般的な家庭という最後のフロンティア

だからこそ、ギルバートによれば、自宅の環境はフィジカルAIとロボットにとっての「最後のフロンティア」なのだ。家庭内の環境は構造化されておらず、予測が難しく、常に変化している。そこには幼児や乳児がいて、ペットも周囲や足元を動き回っているかもしれない。言うまでもなく大人もいるが、大人もまた予測不能である。

それゆえ、自宅という場は汎用ヒューマノイドロボットにとって究極の試金石となる。

「ヒューマノイドロボットを連れてきて、どんなアメリカの家庭に入れたとしても、そのロボットがコーヒーを1杯いれられるようになったとき、私たちは汎用ヒューマノイドロボットの問題を解決できたと分かるのです」。

そしておそらくは、平均的な家庭がそれを購入できるようになったときだ。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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