経営・戦略

2025.12.10 12:58

あらゆる組織にとってビジョンが不可欠な理由

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アンディ・スタンレー氏は著書『Visioneering』の中でこう述べている。「人生において、誰もが何かしらの場所にたどり着く。しかし、目的を持ってたどり着く人はごくわずかだ。そういう人たちこそがビジョンを持つ人たちである」

ビジョンはあらゆる組織にとって極めて重要だ。とはいえ、土木技師である私は、エンジニアは生まれつきビジョナリーではないと思い込んでいる人々によく出会う。しかし、ビジネスでも、コミュニティでも、人生においても、成功の中心にはビジョンと計画があると私はいつも感じてきた。

説得力のあるビジョンを持つことで、リーダーである自分の思考は「私」から「私たち」へと移行する。孤立して作られたビジョンが支持を得ることはほとんどないが、他者が計画の形成に参加すれば、彼らはそれを自分のものとして所有し、信じ、そのために戦う。そして、その共有された当事者意識が、良いアイデアを強力なムーブメントへと変えるのだ。

単なる流行語以上のもの

残念ながら、多くのリーダーはこのように行動せず、ビジョンを実際の行動をほとんど伴わない文化的な流行語にしてしまっている。明確な方向性を設定する代わりに、彼らは受信トレイに入ってくるものに反応するだけだ。

彼らは自分の肩書きが自分を正当化するのに十分だと思い込み、思慮深い計画よりも自己宣伝にエネルギーを費やす。その結果、より広い視点が考慮されていれば避けられたはずの、誤った決断、逃した機会、そして望ましくない結果を招くことになる。

しかし、箴言20章18節にあるように、「計画は助言を求めることによって確立される。だから戦いに出るなら、指導を得よ」。ベンジャミン・フランクリンの言葉を借りれば、「計画を立てないことは、失敗する計画を立てているようなものだ!」優れた軍事指導者が戦略なしに戦いに臨まないように、リーダーもビジョンなしに役割に踏み出すべきではない。

ビジョンの効果

広範なビジョンを持つことで、見過ごしてしまうかもしれない機会を見ることができる。世界は急速に変化しており、新しいアイデアや新しいパートナーに対してオープンであり続けるリーダーこそが、先を行くことができるだろう。

どんな組織においても、ビジョナリーな文化を創造することは、励ましとインスピレーションから始まる。以前の投稿で述べたように、チームの誰かが新しいアイデアを共有したとき、最悪なのはそれを却下することだ。たとえそれが完璧でなくても、私はその努力を称え、「これをどう発展させられるか?」と尋ねることを学んだ。少し改良を加えるだけで、そうしたアイデアがゲームチェンジャーになることがよくある。このような反応は創造性を刺激するだけでなく、人々が貢献し続けるモチベーションにもなる。

本当の鍵は、人々が安全に感じ、既成概念にとらわれずに考える力を与えられる環境を構築することだ。ビジョナリーなリーダーシップとは、自分自身がすべての答えを持つことではない。それは、耳を傾け、下調べをし、チームに革新する自由を与えることだ。自分の意見が重要だと知っていれば、彼らは自分自身と組織をあなた一人では到達できないところまで押し上げるだろう。

私はよくポール・アーデン氏の言葉を思い出す。彼はこう述べている。「あなたがどこにいたいか、誰になりたいかというビジョンは、あなたが持つ最大の資産だ」。これは個人だけでなく、チームやコミュニティにも当てはまると私は信じている。全員が大きな絵を見て、その一部だと感じるとき、可能性は無限大だ。

だから、方向性を設定し続けよう。聞くこと、権限を与えること、他者を励ますことを含む、リーダーシップの基本原則に立ち返り続けよう。チームの助けを借りれば、あなたのビジョンは紙の上のアイデア以上のものになる。それは、決断を導き、革新を促進し、大きな目標を手の届くところに引き寄せる、共有された方向性となるのだ。

forbes.com 原文

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