ライブ配信から、生成AIツールのアンバサダーに就任
各地に拠点をもつ青年会議所や地方Web3連携協会などとの繋がりから、活動を東京や名古屋だけでなく、九州、四国や北陸など全国区へと拡大。大阪・関西万博では、日米で活動する連続起業家の須藤潤氏の紹介から、英国パビリオンと米国パビリオンで登壇をした。
EdFusionで最近まで毎週木曜日に行っていた公開ライブ配信では、全国の学生や教員、教育委員会関係者まで、多い時で4000人近くを集め、この発信を見た米国の生成AIツールCreate XYZが、にこるを公式アンバサダーとして採用するなど新たな縁を生み出した。「私自身、出会いに支えられてきました」とにこるは言う。
また、2024年8月に大阪・難波でスタートした、AIやメタバースなど最新テクノロジーを学べる教育施設「Hero Egg(ヒーローエッグ)」では、プロデューサーとしてイベントの企画・講師、広報など幅広い役割を担当している。Hero Eggは、大人向けのリスキリング講座で収益をたて、そのお金を子どもたちに回し、無料で教育を提供するというもの。
「経済格差で夢を諦める子をゼロにしたいんです。どんな家庭環境の子でもチャンスを得られる、みんなが挑戦できる場をもっと広げていきます」
そのために「学び場づくり100拠点構想」を進行中で、子どもと大人がともに学び合う拠点を地域ごとに広げていく計画だ。
父が事業をサポート
こうしたにこるの事業に欠かせない存在が、エンジニアである父の憲治さんだ。つい最近Hero Eggを運営するMeta Heroesに転職し、遠方への移動やイベント現場の設営、会場との連携の面で娘の事業をサポートしている。
「最初は“学校の延長の自由研究”くらいに思っていました。でも、娘が書いた事業計画書を読んで驚きました。論理もビジョンも、大人顔負け。2年近い活動のなかで、喋り方や提案書の質なども若い社会人レベルにできるようになった」と憲治さん。

そして、親子の価値観を融合することが大切だと考えるにこるは、地域の魅力を伝える曲や「未来の自分ソング」などAIを使って音楽を制作するといった、親子が一緒に取り組むワークショップを展開している。
にこるが次に見据えるのは、2030年のサウジアラビア・リヤドでの万博だ。彼女は、大阪・関西万博で10月10・11日に延べ2万4000名が来場した「未来のトビラをひらく『こども万博』」のGLOBAL HERO SUMMIT(グローバルヒーローサミット)をプロデュースし、国内外の若者とともにAI教育の未来を議論した。
「次はリヤド万博で、世界中の子どもたちが自分の挑戦を語り合う“グローバルヒーローサミット”をより大きな規模で開きたいんです。AIを通じて国や文化を越えた共創ができるはずです」


