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2025.12.17 16:15

「検索で2.4億本植林」はグーグルの競合か、利益を受け取らないCEOの真意

エコジアCEO クリスチャン・クロル氏

━━エコジアは植林プロジェクトそのものにも関わるのか。また、どこに植林するかはどうやって決めるのか。

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クロル:エコジアには植林や森林に詳しい専門家チームがいて、必要に応じて現地の専門家とのパートナーシップも積極的に検討しています。また、私たちの取り組みは「生物多様性の重要な地域」を再生することに重点を置いており、そこで最大のインパクトを生み出すことを目指しています。

━━今後どんな展開を目指すか。

クロル:検索ビジネスではAI の導入に伴って多くの革新が起きています。エコジアでも、今後数カ月のうちに、ビッグテックに代わる優れた選択肢となるための新機能を続々リリースの予定です。 

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中長期的には、私たちは独自の検索インデックス「European Search Perspective」を構築・公開しました。ヨーロッパだけでなく、代替検索エンジン向けにもより独立した検索インフラを提供することを目指します。私たちはビッグテックに対する意味のある代替手段を提供し続けるという使命を追求していきます。


「利益の100%を地球のために還元する」グリーン検索エンジンはビッグテックによる巨大な一極化に一石を投じ得るのか。"検索する生き物"となったわれわれを取り巻く世界に、トーマス・フリードマンがかつて『フラット化する世界』で言った解放はもたらされるのか。注目したい。

Christian Kroll(クリスチャン・クロル)

利益を植林活動に活用するグリーン検索エンジン「エコジア」創業者兼CEO。旅の途中で、深刻な社会的不平等や大規模な森林破壊の影響を目の当たりにしたことをきっかけに、2009年にエコジアを創業。その後同社を、35カ国以上で2億4000万本以上の木を植える世界最大の非営利検索エンジンへと成長させる。2018年にはエコジアの売却や、会社からの配当を受け取る権利を放棄。2021年には、気候変動対策を加速させるために設立された欧州最大のクライメートテックVCファンド「World Fund」の創設を支援した。最新の取り組みとして、EUを拠点とする検索インデックス「European Search Perspective」がある。

取材・文=石井節子

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