Vaccines.govの代替手段を探す
健康関連の情報を調べる場合、現時点ではCDCのウェブサイトだけに頼るのではなく、信頼性の高い公式サイトをほかに少なくとも3つ確認するようにしたい。たとえば世界保健機関(WHO)や、英国、カナダ、日本、オーストラリアといった権威主義体制でない国の保健当局のウェブサイトだ。また、米国感染症学会(IDSA)や米国小児科学会(AAP)のような公的な科学・医学団体のウェブサイトもある。こうしたウェブサイトのうち少なくとも3つで同様の情報や勧告・推奨が見つかれば、それは科学的に正確である可能性が非常に高い。
ワクチンを接種できる場所を探すには、Vaccines.govの代わりになるサービスも利用できる。一例を挙げると、ボストン小児病院が運営しているウェブサイト「Vaccinefinder.org」では、郵便番号を入力すると近くの薬局を検索できる。使ってみた人は「Vaccines.govの検索ツールとそっくりだ」と感じるだろう。それもそのはず、2021年にVaccines.govの検索ツールをCDCと共同で開発したのはボストン小児病院の研究者たちだったのだ。
さらに、米国の州や郡、市などの保健当局のウェブサイトにも検索ツールが用意されている。たとえばニューヨーク市も、市内のワクチン接種場所を探せる検索サービスを提供している。全米のほとんどの保健当局や診療所、薬局は、ワクチン接種を提供しているか、接種可能なほかの施設を案内できる。
重ねて言えば、Vaccines.gov の検索ツールがこの先どうなるのか、あるいはこのウェブサイト全体が誰のために何を提供するものになるのかは現時点で不明だ。「ツール」ということであれば、自分自身がツール、つまり、政治的あるいは金銭的な目的を持つ者に簡単に操られ、不正確なことを信じ込まされる「利用される存在」にならないように注意しよう。そうならないために、科学、本物の科学を学び、正しい情報をどこで探すべきかを知ることを通じて、誤情報と偽情報に対する「ワクチン接種」をしておくようにしたい。


