消費者は、ディスカウント小売企業と後払い決済(BNPL)への依存を強める
14. フィナンシャル・タイムズによれば、ダラー・ジェネラルやダラー・ツリーといったディスカウント小売企業の動向も、家計負担の増加を示す指標となっている。ダラー・ジェネラルの株価は第3四半期の堅調な決算を受けて4日に8%上昇し、純売上高は106億ドル(約1.7兆円)増加した。同社株は年初来で62.9%上昇し、5日には135.08ドルの年初来高値をつけた。ダラー・ツリーは既存店売上高が4.2%増加し、四半期取引額の85%が2ドル以下であったと報告した。同社の株価は年初来で59.1%上昇した
15. 小売業では、全米小売業協会(NRF)のマシュー・シェイCEOが、今シーズンの消費者はお得感と積極的なプロモーションに強く関心を寄せていると述べた。
ホリデー商戦で値下げやBNPL利用額の増加が顕著に
16. 米小売大手のターゲットもこれに反応している。同社は、ホリデーシーズンに向けて価格の手ごろさを強化し、弱まりつつある利益見通しを改善するため、3000点の商品の値下げを実施するとFOXビジネスに語った。
17. NRFは、ホリデーシーズンの消費額が1兆ドル(約156兆円)に達すると予測しているが、その裏では後払い(BNPL)プラットフォームの利用が大きな割合を占めていることが示されている。アドビ・アナリティクスによれば、サイバーマンデーの後払い取引額は10億ドル(約1560億円)を超え、前年比4%の増加となった。
18. ストックホルムを拠点にBNPLサービスを提供するクラーナは、ブラックフライデー期間中の米国での利用急増を受け、11月の取引量が前年比45%増となったと報告した。
学生ローン債務残高は過去最高に――返済が滞るケースが増加
19. エデュケーション・データ・イニシアティブによれば、学生ローン債務残高は過去最高の1兆8100億ドル(約282.4兆円)に達している。
20.返済が滞るケースも増えており、2025年第2四半期時点で連邦学生ローンの11.3%が延滞状態にあると同団体は述べている。
最新の世論調査は何を示しているか
先日公開されたポリティコの調査では、米国人の46%が「アフォーダビリティ問題」の悪化はトランプの責任だと答えた一方、ジョー・バイデン前大統領の責任だとしたのは29%だった。同調査では、米国人の43%が過去に比べて経済的機会が減少したと考えていることも示された。多くの家計にとって、最も負担が大きいのは食品(45%)、次いで住宅(38%)、医療(34%)であるとポリティコは伝えている。最近のギャラップ調査でも同様の不安が示されており、米国の成人の40%が現在の経済状況を「悪い」と評価し、10月の37%から悪化している。消費者心理は12月に改善したものの、歴史的な低水準に留まっている。


