北米

2025.12.10 12:00

「生活が成り立つかどうか」を問う「アフォーダビリティ」の危機が存在する20の兆候 米国

Raquel Natalicchio/Houston Chronicle via Getty Images

住宅コストの急騰と公共料金の値上がりが家計を直撃

5. 住宅費も急騰している。全米リアルター協会によれば、2022年には、典型的な世帯は中位価格の住宅に収入の約23%を費やしていたが、2025年にはその負担は25%に上昇し、ピークでは26%を超えた。

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6. 住宅価格も上昇している。一戸建て住宅価格の中央値は2022年の39万2800ドル(約6100万円。1ドル=156円換算)から2025年には41万9122ドル(約6500万円)へと上昇した

7. 若い世代の後退も顕著である。11月に発表された住宅調査では、1990年代生まれの人々の退職時の持ち家率が、前の世代より9.6ポイント低くなる見通しとされた。また、住宅購入が不可能だと判断した購入者は、支出を増やし、よりリスクの高い投資に手を出し、時間の経過とともに労働時間を減らす傾向があることも示されている。

8. 労働統計局によれば、電気料金と都市ガス料金は9月に前年比6.4%上昇した。

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9. 労働統計局のデータによると、2020年2月以降、電気料金はほぼ40%上昇している。

医療保険料の負担増、医療費に由来する債務の問題が深刻化

10. 非営利団体のカイザー・ファミリー財団(KFF)によれば、企業が提供する家族向け医療保険の平均費用は、2025年に前年比6%増の2万6993ドル(約421万円)となった。

11. 同じくKFFによれば、過去5年間で、家族向け医療保険料は26%上昇した。

多くの保険会社が大幅な値上げを要求

12. 医療保険制度改革(オバマケア)にも同様の上昇傾向が見られる。312の保険会社のうち、保険料引き下げを提案したのは4社のみで、125社が20%以上の引き上げを、7社が少なくとも50%の引き上げを提案したと、ジョンズ・ホプキンス公衆衛生大学院が引用したHealth System Trackerが報告している。

13. 米国議会が引用したIBISWorldのデータによれば、2025年の債権回収額の24.7%は、医療費に関わるものである。

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翻訳=江津拓哉

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