報道業界にとって、人々が現在、実際にどのように情報を消費しているかを理解することほど重要なことはない。米世論調査機関ピュー・リサーチセンターはこのほど、これに関する調査を行った。
それによると、米国人がニュースを入手する方法は世代間によって大きく分かれ、テレビ、ストリーミングプラットフォーム、デジタル出版社に重大な影響を与えていることが分かった。他方で、少なくとも近年では、さまざまな年齢層がニュースを消費する方法について、特に大きな変動は見られないことも明らかになった。同機関は「情報環境は近年、ポッドキャストやソーシャルメディア(SNS)上のニュースインフルエンサーの台頭から、伝統的なニュース番組の視聴者減少に至るまで、大きな変化の中にある。しかし全体的には、見る、読む、聴くなど、米国人がニュースを入手する方法にはほとんど変化が見られない」と説明した。
まず、高齢者の場合を見てみよう。調査では、65歳以上の米国人の57%がニュースを「見る」ことを好んでいた。この年齢層にとって「視聴」とは、ケーブルニュースやローカル放送、全国放送をテレビ画面で消費することを意味する。テレビ業界全体を根底から覆したストリーミング革命など、全く問題ではないのだ。
ピュー・リサーチセンターが先に発表した別の調査では、この点が明確に示された。米テレビ局のCBS、NBC、ABC、FOXニュース、CNNの視聴者層の中央値は現在50~58歳で、テレビニュースの基盤がいかに高齢層に偏っているかが見て取れる。
一方、若者にとって、ニュースを追うことは全く異なる意味を持つ。30歳未満の米国人の中で最も大きな割合(45%)がニュースを「読む」ことを好み、大半はスマートフォンで行っていた。この年齢層は、ウェブサイト、アプリ、検索エンジン、ソーシャルフィードなどを利用し、特定の発信元への忠誠心より目の前に現れるものを読む傾向が強い。同年齢層の31%はニュースを「見る」ことを好むと回答し、23%はニュースを「聴く」こと(ポッドキャストなど)が好きだと回答した。
これだけでも十分複雑だが、実際にこの年齢層を引きつけること自体が報道業界にとっての難題だ。30歳未満の成人の約5人に1人は、ピュー・リサーチセンターが調査した30の主要ニュースソースから定期的にニュースを入手しておらず、代わりにSNS、ユーチューブやティックトックの発信者やインフルエンサーから情報を得ていた。
少なくとも同機関の分析によれば、高齢の視聴者は依然として儀式のようにテレビニュースに依存している一方で、若年層(いずれ高齢層に移行する世代)はさまざまな端末や方法に分散していることが明らかになった。
若者の間では特にニュースを読むことが好まれているが、出版社側は次第に理想的とは言えない状況に陥りつつある。出版社は、広告市場の低迷、大手SNSからのトラフィック減少、そしてグーグルの人工知能(AI)検索の全面的な見直しに伴う影響という三重苦に直面している。
音声ニュースは長年にわたる実験や大きな賭けを経ても、希少な存在にとどまっている。ニュースを聴くことが最も好ましい方法だと答えた米国人はわずか19%で、2018年から横ばいだった。米公共ラジオ放送NPRや音楽アプリのスポティファイ、米紙ニューヨーク・タイムズなどがポッドキャストに資金を注ぎ込んでいるにもかかわらず、音声形式は現在も主流になっていない。



