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2025.12.11 15:00

あなたも自然に相手をひきつけられる人に――心理学に学ぶ「4つの会話術」

sturti / Getty Images

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自然な魅力を持つ人とは、部屋で一番意見が通る、あるいは輝かしいストーリーを持っている人のことではない。多くの場合、それは会話の微妙な合図が注意や好奇心、つながりをどう形作るかを理解している人のことだ。

カリスマ性は生まれつきの性格特性として扱われがちだが、人は特定の習得可能な会話行動を通じて人をひきつける存在になることが研究で示されている。その行動とは社会的絆を効率的にするために進化した、深い認知・感情的メカニズムを活性化させる類のものだ。

つまり人の心をつかんで離さない要素は、パフォーマンスよりも精度にある。興味をそそるタイミング、積極的に行動を起こすべき時、一歩引く時、そして行動レベルだけでなく感情レベルで相手とどう向き合うかを理解することだ。

あなたの評価を大きく高める、社会科学に裏付けられた4つの具体的な会話術を紹介しよう。

会話術1:常に「もっと知りたい」と思わせる

大半の人は魅力は素晴らしい話ができたり、自分について多くを明かすことだと思っている。だが、あなたとつながりたいと思ってもうらう最も確実な方法の1つは話を完結させないことだ。このテクニックは単純だ。会話の終わりに、認知的な糸口を保つのに十分な、小さくて関連性のある「続きが気になる」要素を残すのだ。

例えば「あのプロジェクトの続きを後で話すよ」と言うことができる。これは軽やかでプレッシャーがなく、完全に自然な流れで(未完了のまま)会話を終える。ここで活用しているのは、脳の最も確実なパターンの1つである「完結させたい欲求」だ。会話の一部が完結していないと、心はほぼ自動的にそれを追跡する。

専門誌『Frontiers in Psychology』に2024年に掲載された対人的好奇心に関するレビューは、この手法が機能する理由を明確に示している。研究によると、好奇心は人間にとって根本的な社会的役割を果たす。他の人のことを知りたいという欲求はさらなる交流を求める動機になり、社会的情報の記憶力を高め、関係の継続性を強める。つまり、相手があなたから学ぶべきことがまだあると感じれば、たとえそれが些細かつ平凡なことであっても再び接触を試みる可能性が高まる。

こうしたことから、会話に完結していない部分を残すのは過剰な情報共有でも情報を隠すことでもない。認知的に刺激する軽い誘いを送っているのだ。注意を向けるよう相手に強制することなく、動きと継続性と深みを生み出す。その不可解さが適切で文脈に沿い、実際の会話に根ざしているからこそ、まさに人々が戻りたくなる対人的好奇心のようなものを喚起する。

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翻訳=溝口慈子

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