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2025.12.11 15:00

あなたも自然に相手をひきつけられる人に――心理学に学ぶ「4つの会話術」

sturti / Getty Images

会話術2:90秒間集中的に関心を向ける

カリスマ性を出そうとする時、人はやりすぎてしまうことが多い。常に存在感を示そうとし、絶えず関与し、永遠に「オン」の状態を保とうとする。だが興味深いことに、相手に注意を向ける最も効果的な方法の1つは、短いながらも意識を途切れさせることなく完全に向けることだ。そして、そっと距離を置く。

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90秒は心に強く響く長さでありながら、激しさを回避できる短さだ。この間は能動的傾聴を実践すべきだ。つまり、スマホをチェックしたり、自分の番がきたら何を話そうか考えたり、部屋を見回したりしないこと。そして90秒たったら、よりリラックスした会話に戻る。

専門誌『International Journal of Listening』に2014年に掲載された研究では、たとえ短い時間でも質の高い傾聴が、話し手の「注意が向けられ、理解されている」という感覚を劇的に変えることがわかった。研究参加者は、深い注意が短時間集中的に向けられた時に、人間関係における親密さやつながりを一貫して高く評価した。話し手の感情の仕組み全体は完全に向けられるわずかな注意にもしっかり反応する。

これが90秒間の集中的な関心が効果的な理由だ。脳はこれを並外れて敬意を示す行為と認識するが、不自然とはとらえない。対比効果もこの手法の有効性を高める。というのも、注意が限定されているとそれは演技ではなく意図的な行為に感じられるからだ。この意味で、この手法を用いると相手は「優先されている」と思う。これは親しみやすさを高める最も確実な手法の1つだ。

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翻訳=溝口慈子

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