「女性4人・男性2人」が最適構成
━━Timeleftはどのように機能しているのですか?
M.B.:私たちのウェブサイトまたはモバイルアプリから、まず40問の性格テストに答えてもらいます。準備が整ったらディナーの予約をし、翌週の火曜日にグループメンバーの情報と、翌水曜日のレストランの住所が届く仕組みです。
料金プランは2種類あり、1回限りのチケット制と、月額19ユーロで毎週水曜に参加できるサブスクリプション制を用意しています。社内には運営専任スタッフが25名おり、すべてのディナーがスムーズに行われるようにサポートしています。ディナー後は、参加者が訪れたレストランを評価し、詳細なフィードバックを送ることができます。
━━他のマッチングアプリと比べて、Timeleftのアルゴリズムが「より健全」と言われるのはなぜですか?
M.B.:一般的な出会い系アプリは「マッチ数の最大化」に重きを置き、まずオンライン上でのやり取りを促進します。マッチ成立後に会話が始まり、その瞬間のドーパミンを刺激するように設計されています。
一方、Timeleftではオンライン上での出会いは一切ありません。私たちはあくまで、「ディナーがうまくいく確率を最大化すること」に注力しています。知らない者同士をつなぐだけですが、その「知らない」という状態が、むしろオープンマインドでの交流を生み出すんです。テーブルを構成する際は、収入レベル(支払いの負担が偏らないように)や内向性の度合いなどを考慮してバランスを取ります。
また、経験上、女性が4人・男性が2人といった構成が、女性が安心して参加できる傾向があることも分かりました。さらに、年齢層・使用言語・食事制限といった要素も考慮しています。
私たちの約束は、「必ず新しい人と出会えること」そして「合わなかった人とは二度と同席しないこと」。中にはこの場で恋愛に発展する人もいますが、それはあくまで副次的な結果であり、プレッシャーを感じずに楽しめるのが特徴です。
最初はリスボンで8000人規模の小さなコミュニティからテストを始めました。現在では、世界275以上の都市に広がり続けています。国や年代の多様性は驚くほど豊かで、孤独感の解消にTimeleftが大きく貢献していることを実感しています。
━━「孤独」という感情についてはどう考えていますか?
M.B.:孤独感は、特に2020年のロックダウン以降、確実に増えています。この現象において、SNS(ソーシャルメディア)の影響を無視することはできません。私はむしろ「孤独」ではなく「人とのつながりの欠如」という言葉を使いたいと思っています。そしてもちろん、アルゴリズムの存在もこの問題の一部です。
日本が2021年に内閣府特命担当大臣「孤独・孤立対策担当大臣」を設置したのも、前例のない少子高齢化の中でのことでした。私たちはスマートフォンに多くの時間を費やし、家族から離れて暮らすようになり、デーティングアプリが長期的な関係を分断するようになってしまいました。
Timeleftは、そうしたアプリに疲れた人々──つまり、「1対1のデートではなく、自然に人と出会いたい」という人たちに支持されています。


