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2025.12.15 15:15

太陽より熱い「世界最小エンジン」。自然界の混沌を模擬、物理法則限界突破も

Wonderful Engineering

彼女はこうも続ける。

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「一見直感に反するこのスケールで熱力学を理解することで、将来的にはより優れたエンジンを設計できるかもしれませんし、自然に対する私たちの理解そのものを揺さぶるような実験を行えるようになるはずです」

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一見、抽象的な物理の話のように聞こえるかもしれないが、この極小エンジンは実は生物学にも大きな影響を与える可能性がある。顕微鏡レベルでは、生命そのものが「確率的エンジン」の集合体のように動いている。タンパク質や酵素、分子機械などは、常にランダムな熱ノイズの中で働いているのだ。

研究チームは、自分たちの装置がタンパク質の折りたたみを再現する「アナログコンピューター」として機能することに気づいた。これは生物学で最も難解な現象のひとつである。

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タンパク質はアミノ酸が連なった鎖からできており、その鎖が正確な立体構造に折りたたまれて初めて機能を果たす。もし誤って折りたたまれると、アルツハイマー病やパーキンソン病、嚢胞性線維症などの病気を引き起こすことがある。Google DeepMindのAIツール「AlphaFold」は、その最終的な立体構造を予測できるが、鎖がどのようにしてその形に至るのか―その複雑な過程までは再現できない。

ここで登場するのがKCLのマイクロエンジンだ。研究チームは電場を調整し、制御されたノイズを加えることで、生体内の混沌とした環境を再現した。タンパク質が折りたたまれていくプロセスを、リアルタイムで物理的に模擬することができるという。

研究者たちはこう説明する。

「私たちの方法の利点は、AlphaFoldのような従来のデジタルモデルと比べて『シンプルである』ことです。タンパク質の折りたたみはミリ秒単位で起こりますが、それを構成する原子の動きはナノ秒単位です。この異なる時間スケールのせいで、コンピューターによるシミュレーションは非常に困難です。しかし、私たちは微粒子の動きを観察し、それをもとに数式を立てるだけで、この問題を完全に回避できます」

この研究成果は、学術誌「Physical Review Letters」に掲載された。



(この記事は、英国のテクノロジー特化メディア「Wonderfulengineering.com」から翻訳したものです)

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