しかし、BHTPが指摘するように、トロントやバンクーバーのような都市では、車のドアを施錠しないといった小さな過失でも罰金対象となるため、やはり警戒は必要だ。また、カナダの大自然に入る場合は、十分な準備が必要だ。
ニュージーランドは、2年連続で6位にランクインした。平和さ、暴力犯罪の少なさ、主要都市の高評価が要因だ。旅行者は、特に医療、安全性、交通機関を高く評価している。ただしBHTPは、氷河地帯などの過酷な環境に足を踏み入れる場合、ガイドを雇うことを推奨している。
今回のレポートで、最も大きく躍進したのはアラブ首長国連邦(UAE)で、18位から7位に急上昇した。「UAEは長年、安全な旅行先としての評判を築こうとしてきた。その努力が実を結んだ」とBHTPは指摘する。
UAEは厳格な行動規範を施行しているため、BHTPは、服装や行動規範の違反に注意するよう助言している。そして何よりも、電子タバコやCBD含有製品(処方薬を含む)は法律で禁止されているため、持ち込みは絶対に避けよう。
日本は9位を維持し、「人口が少ない国だけが安全だ」という通説に反する結果となった。日本は、清潔な都市、超効率的な公共交通機関、暴力犯罪の少なさで知られている。ただし、処方薬には注意が必要だ。日本では、アデラルの商品名で知られるアンフェタミン(注意欠陥・多動性障害[ADHD]やナルコレプシーの治療向けに、米国などで使用されている)など、特定の薬物が規制されている。
米国の順位は?
今回のレポートでは米国は26位で、トップ15から大きく外れた。ミューラーによれば、これは過去の傾向と一致しているという。「SOTI調査が始まってからの11年間、米国の順位はほぼ一貫している」
興味深いことに、米国は今回初めて、「世帯年収35万ドル以上の旅行者」にとって最も安全な国トップ10にランクインした。このカテゴリーのランキングには、フィリピン、オーストリア、ノルウェーも含まれている。
それでもなお、米国は継続的な課題に直面している。一部の都市レベル指標では高い評価を得ている(例えばホノルルは、BHTPの最も安全な都市ランキングでトップ5入りしている)にもかかわらず、米国は、暴力犯罪、医療アクセス、テロのリスクといった指標で他国に後れを取っている。


