オーストラリア:安全大国
2位は、2年連続でオーストラリアだ。「オーストラリアは依然として、旅行者にとって非常に安全な目的地だ。ただし、世界のほかの目的地と同様に、計画と警戒心、そして正しい判断が必要であることに変わりはない」とミューラーは強調する。
オーストラリアは、テロ対策と医療対策で1位、交通安全で4位、暴力犯罪の安全度で6位にランクインした。BHTPはオーストラリアの特徴として、安定した政治体制と、厳格なバイオセキュリティ・銃規制法を挙げている。
一つ注意すべき点がある。オーストラリアの税関は、その厳格さで知られており、決して軽視すべきではない。レポートが指摘しているように、オーストラリアは輸入品、特に農産物に対して厳しい管理を実施している。
ヨーロッパ:旅の安全のリーダー
例年通り、ヨーロッパ諸国がランキングを支配しており、上位15カ国の半数を占めている。多くはおなじみの顔ぶれだが、今回のランキングには顕著な変化が見られた。
オーストリアが初めて調査対象となり、いきなり3位にランクインしたのだ。「オーストリアは、今回初めて調査対象に加わった国だ。最初の年にトップ3入りを果たしたことは興味深い」とミューラーは語る。「SOTIは、医療から包摂性まで、幅広い安全性を評価する。オーストリアはあらゆる面で高評価を得た」
アイスランドは長年トップを走ってきたが、今回は4位に後退した。とはいえ、世界平和度指数によれば、世界で最も平和な国の座は守っている。
「アイスランドの順位がわずかに下がったのは、認識や評価の自然な変動によるものだ」とミューラーは言う。アイスランドの首都レイキャビクは、BHTPの「最も安全な都市」ランキングで1位を獲得している。
スイス(8位)とアイルランド(10位)は、ともに好調を維持している。ベルギーは、20位から11位に急上昇した。都市レベルの安全性と、包摂性の向上が寄与している。
フランスも、17位から13位に順位を上げた。トップ15入りしたそのほかのヨーロッパ諸国は、ポルトガル(12位)、英国(14位)、デンマーク(15位)だ。
ヨーロッパ以外のリーダー
ヨーロッパ諸国がトップ15を席巻する一方で、ほかの地域からもいくつかの国がランクインし、安全が世界共通の目標であることを証明した。
カナダは5位にランクインし(2025年は3位)、北米で最も安全な国としての地位を固めた。暴力犯罪、交通安全、女性・LGBTQIA+・有色人種の安全性という3部門で2位を獲得し、健康安全(5位)と、テロの安全度(7位)でも上位に入っている。


