6位:ウィリアムズ
評価額:25億ドル(約3875億円)
売上:2億4500万ドル(約380億円)○営業利益:マイナス3600万ドル(約-56億円)○チーム代表:ジェームズ・ヴァウルズ
2023年にウィリアムズのチーム代表に就任したジェームズ・ヴァウルズは当時、チームの施設が「20年も遅れている」と記者団に語っていた。一方、2020年にチームを買収した米投資会社ドリルトンは、積極的に資金を投入してきた。ヴァウルズが F1の小規模チームがコストキャップの枠外で設備投資を拡大できるよう働きかけ、それが実現したことも後押しとなった。
現在、ヴァウルズは長期契約の延長に合意し、改革の指揮を引き続き担っている。チームは来季から「アトラシアン・ウィリアムズF1チーム」に名称を変更し、創設年である1977年に導入された「フォワードW」を再解釈した新ロゴへと切り替える。
7位:アルピーヌ
評価額:24億5000万ドル(約3798億円)
売上:3億ドル(約465億円)○営業利益:マイナス1300万ドル(約-20億円)○チーム代表:フラビオ・ブリアトーレ
今季のアルピーヌは苦戦が続き、コンストラクターズ選手権で最下位に沈んだ。9位のザウバーと比べても40ポイント差がつく厳しい状況だった。一方で、エースドライバーのピエール・ガスリーは9月に契約を延長し、2028年までチームに残ることに合意した。
アルピーヌを所有するフランスの自動車大手ルノーグループは、商業面での成長に向けて米国市場を重点地域に位置付けている。チームはF1チームの評価額を占う試金石になる可能性がある。2023年に同チームに約9億ドル(約1395億円)の評価額で出資したオトロ・キャピタルが、持ち分の売却を検討していると報じられたためだ。
8位:ザウバー
評価額:24億ドル(約3720億円)
売上:2億4000万ドル(約372億円)○営業利益:マイナス2500万ドル(約-39億円)○チーム代表:ジョナサン・ウィートリー
今季、「ステークF1チーム・キック・ザウバー」として参戦したザウバーは、2018年から2023年までは「アルファロメオ」の名で知られていた。同チームは、過去3年にわたって進められてきた一連の取引を通じてドイツの自動車大手アウディに買収され、2026年シーズンから「アウディ」として活動する。
アウディは、過去16年間フェラーリ製パワーユニットを使用してきた同チーム向けに、自社製エンジンの製造も開始する予定だ。ブランド刷新に伴い、フィンテック企業レボリュートが新たにネーミングライツパートナーとなり、アディダスとのアパレル契約など複数のパートナーシップも結ばれた。
9位:レーシング・ブルズ
評価額:23億ドル(約3565億円)
売上:3億1800万ドル(約493億円)○営業利益:500万ドル(約7億8000万円)○チーム代表:アラン・パーマン
エナジードリンク大手レッドブルが所有する2つ目のF1チームは、2024年に「ビザ・キャッシュアップRB」という「F1史上最悪の名称」とモータースポーツ専門サイトが評した名前で参戦していたが、現在は「レーシング・ブルズ」に改称されている。
2026年に向け、より大きな変更も予定されている。チームは、レッドブル・レーシングとともに、ホンダ製パワーユニットに代えて、フォードと共同開発する新パワーユニットを採用する。フォードがF1に復帰するのは2004年以来となる。2つのレッドブル傘下チームは、フォードとの提携を踏まえ、来季のマシンカラーをデトロイトで1月に開催されるローンチイベントで披露する計画だ。
10位:ハース
評価額:15億ドル(約2325億円)
売上:1億5000万ドル(約233億円)○営業利益:900万ドル(約14億円)○チーム代表:小松礼雄
F1で最も小規模なチームであるハースはこれまで、オーナーのジーン・ハースがチームを維持し続ける意思があるのかどうか、度々憶測を呼んできた。しかし、2016年のF1参戦時からチームに在籍し、2024年1月にチーム代表に昇格した小松礼雄は最近、投資家からの“買収提案”が相次いでいることにオーナーがうんざりしていると明かした。「この18カ月の間に、チーム買収のオファーが何度も届いた。だが、彼は興味を示していない」と小松は語った。「彼がF1に参入した当時は、今のような状況ではなかった。新型コロナで厳しい時期も、彼はチームを支え続けた。今はその成果を楽しんでいる」。
明るい材料もある。ルーキーのオリバー・ベアマンが10月のメキシコGPで4位に入り、ハースのドライバーとして過去最高タイの成績を収めた。続くブラジルGPでも6位に入賞し、チームのドライバーとして初めて4戦連続でポイントを獲得した。


