経営・戦略

2025.12.09 09:30

IBM、データインフラ企業のコンフルエントを約1.7兆円で買収

Thiago Prudencio/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

Thiago Prudencio/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

IBMは米国時間12月8日、データストリーミング企業のコンフルエントを110億ドル(約1.7兆円。1ドル=155円換算)で買収すると発表した。「レガシー技術企業」のIBMがAI事業の拡大を進める中、同社は大型買収に踏み切った。

IBMは、コンフルエント株を1株あたり31ドルで取得する予定であり、買収総額は110億ドル(約1.7兆円)とされている。

コンフルエントは、クラウドサーバーやデータセンターからリアルタイムでデータを移動するためのプラットフォームを提供する企業だ。

IBMの会長兼CEOを務めるアルビンド・クリシュナは8日の声明の中で、今回の買収により、「生成AIおよびエージェント型AIをより良く、より速く展開する」ことが可能になると述べ、IBMが顧客に「スマートデータプラットフォーム」を提供する助けとなるとした。

IBMによれば、この買収は2026年半ばまでに完了する予定だという。

この買収発表を受け、コンフルエントの株価は8日の取引開始時に約28.4%高となり、IBMの株価も約1.7%上昇した。

IBMは、20世紀におけるコンピューティング業界の発展を担ったレガシー技術企業であり、近年はAIおよびクラウド事業の拡大に向けた動きを進めている。同社は、2019年にオープンソースソリューションおよびクラウドサービスを手掛けるを手掛けるレッドハットを340億ドル(約5.3兆円)で買収し、2025年2月にはクラウドコンピューティング企業のハシコープを64億ドル(約9920億円)で買収した。IBMは、エヌビディア、オラクル、オープンAIといった「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大手テック企業と同様に、自社のAI事業を拡大するための大型取引を進めている。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事