深い思いやりや理解を持つ一方で、その優しさを自分に向けるのに苦慮するのは珍しいことではない。他人への優しさや寛大さに比べ、セルフコンパッション(自分への慈しみ)は優先度が低いと考えるかもしれない。友人や家族ほどに自分にはそれらを受ける価値がないとさえ思うかもしれない。だが、他人に惜しみなく与える優しさを自分に与えないことは、研究が示すように極めて重要な方法で自分のウェルビーイングを奪っている。
あなたがセルフコンパッションを欠いている可能性を示す4つの兆候と、それを変える方法についての科学的な知見を紹介しよう。
1. 自分に対して厳しい
自己批判は自分への思いやりを持てない主な理由の1つだ。例えば、友人や家族が失敗して支えを必要とした場合、あなたは慰めるために優しく忍耐強い口調で話しかけることにおそらく何の抵抗も感じないだろう。自分を責めすぎないように言い、誰にでも失敗することはあると伝えるはずだ。だが、失敗したのがあなた自身だった場合、あなたの心の声ははるかに辛辣で、許しも少ない。
落ち込みの軽減やポジティブな感情の増大につながる、セルフコンパッション
これは残念なことだが、研究によって裏付けられたパターンでもある。具体的には、専門誌『Mindfulness』に2018年に掲載された研究で、人は自分よりも他人を深く思いやる傾向があることが判明した。だがセルフコンパッション(他人への思いやりではなく)こそが、気分の落ち込みの軽減やポジティブな感情の増大といったウェルビーイングと強く結びついていることも指摘されている。



