3. 量より質
AIの普及により、ソーシャルメディアのコンテンツは爆発的に増加し、ユーザーが何に注目していいかわからなくなっている。そうしたなかでソートリーダーは、無数のコンテンツのなかで周囲に差をつけ、インパクトを与える方法を模索している。
これまでは、オーディエンスの量が重視されてきた。ソートリーダーの資質は、フォロワーの数を基準に判断され、コンテンツの質は二の次とされがちだった。だが、効果的なブランディングは、ただ知名度を上げることとは違う。重要なのは、目的とするオーディエンスのあいだで有名になることだ。
さらに、ソートリーダーの資質は、数字に換算できるものばかりではない。リーダーシップコミュニケーションの専門家であるデボラ・グレイソン・リーゲルは、「ノイズのなかでも声を届けられるリーダーは、コンテンツを一番多く生み出している人物ではない」と指摘する。「オーディエンスにとって重要な問題に、斬新なアプローチで取り組む上で役立つようなリーダーの助言は、いつでも注目される」
2026年には、「量から質へ」という戦略の揺り戻しが起こるだろう。フォロワーの絶対数に代わって、小規模コミュニティにおける高いエンゲージメントが重視されるようになる。膨大な数の受動的なオーディエンスよりも、少人数ながら密につながりあい、あなたとの関係を実感しているコミュニティの方が、得難い価値をもつのだ。
4. 速度より深度
投稿の頻度を上げても、その道の権威にはなれない。それよりも、人々が最後まで読み、たびたび見返し、ブックマークし、シェアするようなコンテンツを投稿することが重要だ。
効果的な投稿頻度は、1日に5回の投稿を毎日続けることとは限らない。必要なのは、オーディエンスの期待を形づくる一定の一貫性だ。
とはいえ、時にはスピードが重要なこともある。リアルタイムの出来事に関連するコンテンツをシェアする場合がこれに当たる。ソートリーダーにとって大切なことは、現在進行形のトレンドを見抜き、その大枠を捉え、いち早く明確に、文脈を押さえて自身の専門分野と結びつけることだ。これができれば、熱心なフォロワーを獲得し、コンテンツを拡散してもらうことができるだろう。
5. バイラルより継続性
継続性(Constancy)は、パーソナル・ブランディングに大切な「3つのC」の一つだ(残りの二つは、明確さ[Clarity]と一貫性[Consistency])。継続的にプレゼンスを示すことは、権威の確立と、オーディエンスとの関係構築につながる。
投稿がバズれば、確かに興奮が得られ、承認欲求が満たされるが、そのインパクトは長続きしない。一時的に有名になれるかもしれないが、それはいつまでもつだろうか。
バイラルの対極にある、継続的な、一貫した、思慮深いコミュニケーションを保つことが、信頼とロイヤルティ(忠誠心)を育む。
6. 説明より教育
尊大な態度は敬遠される。教育とは、情報やアイデアを、実践しやすくするものだ。
教育的アプローチで情報をシェアすることは、ソートリーダーの新常識となりつつある。説明は、ただ情報を提供するだけだ。一方で教育は、オーディエンスにかけがえのないスキルを習得させ、マインドセットや習慣を確立させ、長期的な成功の見込みを大きくする。
ビジネスの世界が急速に変化するなかで、すべてのビジネスパーソンは学習者でなければならない。コンテンツに教育的アプローチを取り入れることで、オーディエンスの成長を後押しすることができる。スマートな考え方や働き方の習得を助け、本物の課題解決を促すソートリーダーは、熱心なファンたちを獲得するだろう。


