テクノロジー

2025.12.09 10:00

CES開幕カウントダウン、2026年は「AI・長寿社会・量子」の先端技術に注目

毎年1月初旬に、米国ラスベガスで世界最大のエレクトロニークスショー「CES」が開催される

CESの開催時、セントラルホールは大手家電メーカーの巨大ブースがひしめくメインステージだった。コミスキー氏によると、リニューアル直後の開催となる2026年も、セントラルホールにはパナソニックのほかLGエレクトロニクス、ボッシュ、TCLにハイセンスといったエレクトロニクスの大手企業による大規模なブースが立ち並ぶという。

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一方、近年は自動車・モビリティ関連の出展が集中するウェストホールや、AI・デジタルヘルス・エンタープライズ系の企業がひしめき合うノースホールへの来場者分散も進んでいる。会場全体が広大になる中、リニューアルされたセントラルホールがどのような動線と体験を生み出すか注目される。

イノベーションへの投資意欲は衰えていない

世界経済は2024年以降、各国でのインフレや金利動向、地政学リスクの影響により、先行きに不透明感が漂っている。こうした状況がエレクトロニクス関連のイノベーションに対する投資意欲にマイナスの影響を与えているのだろうか。コミスキー氏は、「先進技術への投資は依然としてロバスト=堅調だ」と分析している。

「テクノロジーへの投資は引き続き力強く、安定感があります。中でも人工知能(AI)が伸び盛りであることから、2025年にもグローバルなベンチャー投資の約48%がAI分野に向けられ、投資拡大の原動力になっています」

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また、クラウド企業によるサイバーセキュリティ企業の買収(M&A)が活発化している点にも触れた。

「クラウド分野について言えば、サイバーセキュリティは依然として重要な投資領域です。大手クラウド企業による買収動向を見てもサイバー関連企業を取り込む動きが続いています。これはクラウド環境を今まで以上に安全に保ち、障害を未然に防ぐ必要性が高まっているためです。とりわけAIの普及が進む中で、求められているのは業務効率の改善だけでなく、AIを悪用したサイバー攻撃への対処です。新しい時代の脅威に対応するためには、より高度なソリューションが不可欠です」

連日大勢の来場者で賑わうCESの会場
連日大勢の来場者で賑わうCESの会場

近年、ソニーグループのように従来の家電見本市としてのCESへの出展をいったん見直し、2026年はエンタープライズやプロフェッショナル向けのテクノロジーに軸足を移す企業も見られる。一部ホームエンターテインメント企業はすでにコンシューマ向けビジネスの規模を縮小して、B2Bソリューションに舵を切っている。

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編集=安井克至

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