気候・環境

2025.12.08 17:30

人類が「北極に居住できない」4つの科学的な理由

北極(Shutterstock.com)

寒い

北極点への定期的な探検は行われているものの、極寒の環境により基本的に居住不可能だ。南極点の方が平均気温は低いが、北極点もかなり寒い。

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両極とも、地球が扁球の形をしているため、年間を通して日光をほとんど受けない。NASAによると、北極点の夏の平均気温は0度であるのに対し、南極点では−18度だ。冬季になると、平均気温は北極点で−40度、南極点では−60度まで下がる。

NASAのウェブサイトでは次のように説明している。「両極とも、太陽は常に地平線近くに位置している。これにより、夏季に太陽が一日中出ている時でさえ、極地は寒さを保っている。冬季には、太陽は地平線よりもはるかに低い位置にあり、数カ月間昇らない。そのため、昼も夜も同じように寒く暗い」

南極点の方がはるかに寒いのは、広大な氷に覆われた陸地だからだ。北極点には多くの海氷があるが、比較的温暖で変化する水の状態によって緩和されている。前述したように、北極点の下には陸地がない。懸念されるのは、北極地域が地球の他の地域よりも速く温暖化しており、海氷の範囲が減少していることだ。海氷が少なくなると、日光の反射が減少し、熱の吸収が増加する。これがフィードバックを引き起こし、さらなる温暖化につながる。

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インフラ、サプライチェーン、基本的なニーズ

北極点に到達することがいかに困難かについては前述した。人間が生活するためには、定期的な物資供給ミッションが必要だろう。さらに、海水と溶ける海氷は塩分を含んでいるため、淡水の供給は限られている。現地での食料供給はほとんどない。植物はほとんど育たず、狩猟はさまざまな理由で危険を伴う。変化する海氷のパターンは、この地域に適応してきたホッキョクグマの狩猟や食料供給さえも混乱させている。

北極点が人間の居住に適さない、あまり明白でない理由は基礎となる陸地の欠如に関連している。絶えず変化する表面により、住居、建物、パイプラインなどのインフラは、損傷、故障、漂流のリスクに常に直面することになる。

ちなみに、地球が平らだと考えたり、「気象マシン」が存在すると考えたりする人々がいる時代に生きているが、最後に一言。地球の頂上に大きなキャンディケーンの「ポール」が立っているわけではない。

forbes.com 原文

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