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2025.12.08 09:00

アップル、チップ部門の責任者が近く退社か AI部門の苦境に追い打ち

Shutterstock.com

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米国時間12月6日の報道によると、アップルのチップ部門トップが近く同社を離れることを検討しているという。人工知能(AI)分野で競合他社に対抗しようとするなかで苦戦する同社において、最近相次ぐ幹部の退社に新たな一件が加わる可能性がある。

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事情に詳しい人物の話としてブルームバーグが伝えたところによると、アップルのハードウェア・テクノロジーズ部門シニアバイスプレジデント(上級副社長)であるジョニー・スルージが、同社を離れることを検討しているという。

スルージは、Appleシリコンを含むチップ開発を担うハードウェア・テクノロジー部門を、長年統括してきた。

ここ数週間から数カ月にかけて、アップルでは注目度の高い幹部の退社が相次いでおり、長年にわたり最高執行責任者(COO)を務めてきた幹部や人工知能部門のトップに加え、十数人を超える上級幹部が同社を去っている。

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こうした退社に対応するため、同社は人事や組織階層の見直しを進めており、競合他社は数百万ドル(数億円)規模の報酬パッケージを提示して人材を引き抜いている。

アップルは人工知能の分野で競合他社に後れを取っており、消費者にとって魅力的なAI機能の投入や、主力の音声アシスタントであるSiriのアップグレードの面で出遅れている。

最近の経営陣との電話会議において、アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は、同社が自社のAIモデルを開発し、他社との提携も進めながら、AI戦略に強く焦点を当てていることを強調している。

アップルは、人工知能や新製品の投入に関して競合他社に追いつくのに苦戦してきた。6月には、同社は目玉となるAI製品群であるApple Intelligenceを発表したが、他のハイテク大手と比べると、生成AIを用いて自社製品を刷新する動きは鈍いままだ。

先月、同社は、2026年6月にリリース予定のSiri音声アシスタントの新バージョンを動かすためにグーグルの技術を利用することで、同社と10億ドル(約1553億円)規模の契約を結んだと発表している。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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