習慣3:率直な対話を1つする
この3つめの習慣は感情的な誠実さを育むが、3つの中でおそらく最も実践するのが難しい。人間はつながりを求めるようにできているが、その性質ゆえに驚くほど対立を避ける傾向がある。多くの人は、困難だが必要な会話の気まずさを避けるために、憤りを抱え続けることを選ぶ。私たちは通常、自分にしっくりとくる境界線を引く代わりに不快感を抑えたり、説明や修復を求める代わりに自分のスタンスを調整したりする。
だが言葉にされない感情も時間とともに蓄積する。それらは緊張や苛立ち、引きこもり、疲労、そして説明のつかない意欲の低下となって現れる。解消されない感情は現実のものであり、物理的な散らかりが暮らしにくくするのと同様に、私たちの脚を引っ張る。
率直な対話を1つするというルールは、人が先延ばしにしている会話を毎週1つ行うことを義務付けることで、わだかまりの蓄積を断ち切る。劇的な会話である必要はない。正直な会話を始める方法をいくつか挙げる。
・「先週、傷ついたのに何も言わなかったことに気づいた」
・「これの対処法をリセットできないだろうか」
・「この話題を避けてきたけど、少し話せるだろうか」
・「◯◯にもっとサポートが必要」
このルールが特に効果的な理由は、正直であることそのものが感情を調節するからだ。感情ラベリング(単に感じたことを言葉にする)と認知的再評価(意図的に状況を再構築する)を比較した研究では、両方の戦略が感情的な苦痛を軽減することが示されている。だが感情のラベリングは、意図的な感情管理と同等か、時にはそれ以上に脳の調節領域を活性化させる。
要するに、感情を言葉にすることは、何かを調節しようとしていなくても自然に神経系を落ち着かせる。真実を言葉にすることで、感情の活性化を抑制し、心のしこりをなくし、心理的エネルギーを解放する。言葉にしない場合、神経系がその負担を抱え続けることになる。


