Figureのブレット・アドコックCEOは、自社のロボット「Figure 03」が走行する様子を撮影した短い動画を、SNS「Threads」上で「チラ見せ」した。クリップ自体は短いものの、素早い加速、走行、方向転換、減速の様子がはっきりと映っている。これは重要なことだ。というのも、現在のヒューマノイドロボットの主な弱点の1つはスピードだからである。
より正確にいえば、その「欠如」だ。
ヒューマノイドロボットの歩行速度と公表しない理由
ヒューマノイドロボット(人型ロボット)の企業は、自社ロボットの実際の歩行速度をあまり公表したがらないことが多い。多くの場合、その数字があまりぱっとしないからだ。Sanctuary AIは、自社のヒューマノイドロボット「Phoenix」について、最高速度を時速3マイル(時速4.83キロ)と公表している。これはUnitreeの「H1」の公表されている速度レンジの下限とほぼ同じであり、この推定値にはかなり上方向のばらつきがあるとされる。Agility Roboticsの「Digit」も、おおよそ時速3〜4マイル(時速4.83〜6.44キロ)の範囲だ。FigureがFigure 03について公表していた数値は、実のところその中でも低い部類で、1.3メートル毎秒、すなわち時速2.7マイル(時速4.35キロ)とされていた。
映像では人間のジョギング速度の上限を超えており、公表値を上回る性能の可能性
結局のところ、同社は控えめな数字を出していたようだ。もしくは、最近の開発がきわめて順調に進んだのかもしれない。
というのも、ごく大まかな目測だけでも、Figure 03はそれよりはるかに速く動いているからだ。人間の歩行速度は時速3〜4マイル(時速4.83〜6.44キロ)程度である。ジョギング、つまりゆっくりとしたランニングは時速4〜6マイル(時速6.44〜9.66キロ)程度だ。アドコックは先ほどのアップデートで、Figure 03――あるいは04かもしれない。どちらかは明示していない――が、ジョギング速度の上限を超える時速6.5マイル(時速10.46キロ)で走っていると述べている。



