リーダーシップ

2025.12.17 14:00

見逃されている「リーダーシップの盲点」、それは研修で解決できない

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保守的に考える傾向が強すぎるタイプなら、トレイルブレイザーが必要だ

信頼性や一貫性、リスク管理に固執するリーダーはしばしば、自らの革新性を制限してしまう。創造性に欠けているからではなく、型破りなアイデアが自然には生まれないからだ。

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トレイルブレイザーをチームに加えれば、チーム全体の思考の視野が根本的に変わる。慎重さを研修で取り除くことはできないが、限界を押し広げることに、専門的・性格的・認知的に適した人物を周囲に置くことはできる。

水面下での感情の動きを見逃すタイプなら、ハーモナイザーが必要だ

たとえ有能なリーダーであっても、チームの緊張が危機的状況に達するまで気付かないことがある。思いやりに欠けているわけではない。感情の動きを読み取ることに長けた人物がチームに存在しないのだ。

ハーモナイザーは、協働が妨げられる前に、対人関係の問題を感知し、解釈し、対処することで、この盲点を補ってくれる。

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自分を直そうとせず、自分と正反対の人材を集めよう

ここで言いたいのは、リーダーは成長を避けるべきだという話ではない。成長の定義を見直すべきだという話だ。リーダーは、自らの強みを磨き、思考を広げ、専門性を深めるべきだが、すべてを完璧にこなそうとするのはやめるべきだ。

リーダーシップの本当の仕事は、適切な「役割のエコシステム」をつくることであり、自分一人でエコシステムを体現することではない。自らの欠点を努力で克服しようとするリーダーよりも、自分と正反対の人材を周囲に集めるリーダーの方が、効果は飛躍的に高まる。

これは、異端に思えるかもしれないが、自由をもたらす真実だ。もしあなたが、あらゆることに長けようとしているのであれば、それは誤ったリーダーシップだ。目標は、個人の完成ではなく、役割をそろえることだ。優れたリーダーが成功するのは、弱点がないからではなく、自らの弱点すべてを補う役割をそろえているからだ。

自らの盲点を認め、意図的にそれを埋めるリーダーは、単に効果的であるだけではなく、より戦略的で、より自己認識力が高く、最終的にははるかに成功するだろう。

forbes.com 原文

翻訳=米井香織/ガリレオ

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