計画を立てるのが苦手なら、スタビライザーが必要だ
多くの上級管理職は、業務上の課題を、個人の規律や組織力のせいにする。実際には、彼らは往々にして、ビジョンや意思決定、戦略的思考に長けたディレクターやトレイルブレイザーだ。彼らの盲点は実行体制にある。
正しい解決策は、より細部にこだわることではない。解決策は、大きな構想を、明確な計画、プロセス、タイムラインに変換できるスタビライザーを近くに置くことだ。スタビライザーは、構造的に考えることが苦手なリーダーを補完し、チームを悩ませる迷走や曖昧さ、土壇場での混乱を防いでくれる。
対立を避けるタイプなら、ディレクターが必要だ
多くのリーダーは人間関係に長けているが、説明責任を明らかにするのは苦手だ。パフォーマンスが低下していることに気付いても、それを直接指摘するのは気まずい、あるいは混乱を招くと感じてしまう。特に、ハーモナイザーとスタビライザーはこのパターンに陥りがちだ。
解決策は、考え方を変えることではない。ディレクター志向を持つ人物に補完してもらうことだ。そして、困難な決断を下し、前提に疑問を投げかけ、チームが厳しい議論を避けないようにしてもらうのだ。対立を避けるリーダーと、強力なディレクターが組めば、無理に違う人間になろうとするよりはるかに効果的だ。
実行面に退屈を感じるタイプなら、アチーバーが必要だ
アイデアを生み出すのが得意なリーダーもいれば、影響力や人間関係構築に長けているリーダーもいる。彼らにとって、業務の完遂はエネルギーを消耗する。それでも、リーダーにはしばしば、細部まで行き届いた実行力の発揮が必要とされる。
しかし、実行力は一般的なスキルではない。実行は役割だ。アチーバーは、この役割で自然に力を発揮する。戦略を考えるリーダーと、実行の苦労をいとわないアチーバーが組めば、実行力は劇的に加速する。一方で、戦略家に実行役を期待すれば、すべてが遅々とするだけだ。


