管理職において、リーダーシップとはあらゆる場面に顔を出すことだと教わることが多い。会議に参加する。提案を追加する。何かが手遅れになる前に介入する。それが果たすべき責任のように思える。確かにそういう場合もある。だがリーダーシップには、めったに称賛されない目につきにくい側面がある。それは自制する力だ。
抑制するのは意外に難しい。改善の余地が見えても人を信頼しなければならない。自分であれば選ばない道を人が進むのを眺める不快感に耐えることを余儀なくされる。だが、こうした姿勢こそが人の成長につながる。多くの人が、自分で解決するよう誰かに任された経験があるだろう。そうした経験はおそらく手取り足取りの指導よりも長く記憶に残る。
だが多くの企業では活動が価値と同一視されている。沈黙を守る管理者は無関心だとみなされる恐れがある。そのため人は過剰に補おうとする。あまりに早く介入する。付きまとう。すかさずフィードバックを与える。それはもっともなことだが、逆効果でもある。
リーダーシップはどれだけ行動したかで測られるものではない。他の人が最善の仕事ができる空間をどれだけ作り出したかで測られる。そしてリーダーシップは自制から始まることが多い。



