セリグマンの有名な実験では、犬に対して避けようのない電気ショックを与える状況を作りました。その後に逃げ道を用意しても、その犬たちはもはや逃げようとしなくなってしまったのです。
何をしても変わらないという経験をした動物は、「逃げる」という行動すら放棄してしまう。この反応は人間にも見られます。
真面目で向上心がある人ほど、「努力すれば報われる」と信じてがんばります。
だからこそ、努力が結果につながらなかったときのショックは大きく、「自分には能力がないのかもしれない」と感じて、行動そのものへの信頼を失っていくのです。
実は7割の人が「自分なんてまだまだ」と感じている
では、この自己効力感が低下する状態は、一部の人だけが感じるものなのでしょうか?
実は、「自分なんてまだまだ……」という感覚は、決してあなただけのものではなく、意外なほど多くの人が抱いている感覚なのです。
自分の成功を「まぐれ」と感じたり、「実力がない」と思い込んだりする「インポスター症候群」という心理状態があります。
ある研究では、約70%の人が一度はこの感覚を経験しているといわれています。
大きな仕事を任されたとき、「私で大丈夫かな」と不安になる。
誰かに褒められても、「いえいえ、たまたまです」と謙遜してしまう。
まわりから見たら十分がんばっているのに、自分の中では「もっとできる人がいる」と比べて落ち込んでしまう。
そういった〝自信のなさ〟は、一見すると謙虚さのようにも思えますが、過度に強くなりすぎると、自分の力を過小評価し続けてしまう原因になります。
本当はもっと挑戦してもいいのに、もっと自分を認めていいのに、自分からブレーキをかけてしまう。
それはとてももったいないことです。
でも、そう感じてしまうのは、あなたが弱いからでも、努力が足りないからでもなく、ごく自然な反応なのです。
だからまずは、「こんなふうに感じるのはおかしいことじゃない」と、自分に言ってあげてください。「自分にはまだ無理かも」と感じるのは、とても人間らしい、ごく自然な感情なのです。
注:記事中リンクから商品の購入などを行なうと、編集部に収益が入ることがあります。また事業者は、商品の選定や記事内容には一切関与していません。



