この機能の最大の特徴は、ユーザーが意識して設定や操作を行う必要がない点にある。アルゴリズムはバックグラウンドでパッシブ(受動的)に動作し、ユーザーがApple Watchを装着している間のデータを収集・解析する。
具体的には、30日間に渡る計測の中で取得された14日間分の有効なデータを分析し、高血圧パターンの兆候が一貫して検出された場合にのみユーザーに通知を送る仕組みだ。生活の中で自然に得られる生体情報を解析するため、ユーザーは「測定しなくては」とApple Watchを操作しながら身構える必要がない。これは継続的な健康管理において、とても大きなアドバンテージになると筆者も考える。
複雑な設定は不要。すぐに計測を始められる
では、実際にこの機能をどのように使い始めればよいのか。手順はとてもシンプルだ。基本的にはiOS 26が搭載されたiPhoneの「ヘルスケア」アプリから初期設定を済ませて、あとはペアリングされたApple Watchを装着して生活するだけでよい。
設定のステップは以下の通りだ。
まず、iPhoneで「ヘルスケア」アプリを開くとオンボーディング(初期設定)を促すタイルが表示される場合がある。または、ヘルスケアアプリの「概要」タブ画面の右上にあるユーザーアイコンをタップし、「ヘルスケアチェックリスト」を開けば「高血圧パターンの通知」が見つかるはずだ。
設定プロセスでは最初に重要な確認事項が表示される。この機能は22歳未満のユーザー、すでに高血圧と診断されたことがある方、または妊娠中の方による使用を目的としたものではない。これらに該当しないことを確認するアラートを経て次へ進む。画面の案内に従って説明を読み進めれば、セットアップは完了だ。これだけで、あとはApple Watchが日々の生活の中でモニタリングを開始してくれる。
ヘルスケアアプリ内では「高血圧に関する詳しい情報」をまとめたコンテンツが、いつでも閲覧できる。高血圧とはどのような状態なのか、なぜリスクがあるのかといった医学的な知識が平易な言葉で解説されており、ユーザーの理解を深める一助になる。
30日間の計測後にもし高血圧のパターンが検知された場合、Apple Watchはユーザーに通知を送る。Apple Watchの画面には詳細な数値データは表示されず、あくまで「通知」に徹したデバイスとして機能する。詳細なデータはすべてiPhoneのヘルスケアアプリに蓄積され、プライバシーが守られた状態で管理される。


