ジョコ・ムラトフスキー博士は、オーストラリア先端技術研究所の最高学術責任者である。
国連は毎年10月の第一月曜日を世界ハビタットデーとして、私たちの都市の状態と適切な住居に対する基本的権利について考える機会としている。この日は、私たちが今日行う選択が、明日の都市環境の回復力と住みやすさをどのように形作るかを考える機会を提供している。
今年、私はスロベニアで開催された世界ハビタットデーのイベントに参加する栄誉を得た。このイベントはリュブリャナのデザイン学部が主催し、政府と複数の産業パートナーによって支援されたものだ。基調講演者の一人として、私は25年以上にわたって私の思考を導いてきたアイデアを共有した：自然を念頭に置いたデザインである。
このアイデアへの私の魅了は、若いデザイン学生だった頃、新古典主義建築に関する講義で始まった。教授が修復の例について議論していた際、特に一つの話が私の心に残った。それは、豪華な木製内装を持つ邸宅に関するものだった。修復を依頼された建築家は、本物性を確保するために元の設計図と材料仕様を探した。その文書の中で、彼は邸宅の元の建築家が1世紀以上前に植えた近くの森の権利証を発見した。それに添えられたメモには、その木々は内装に使われたのと同じ木材であり、修復の時期が来たら使用できるようになると説明されていた。
関わった建築家の名前やこのプロジェクトの場所はもう覚えていないが、その背後にあるアイデアの力は今でも覚えている。それは先見性についての生き生きとした教訓だった：誰かが自分の生涯だけでなく、後に続く世代のためにもデザインしていたのだ。それが、真のビジョナリーであることの意味を初めて理解した瞬間だった。
長期的思考の伝統
時間をパートナーとしてデザインするこのアプローチは、一つの邸宅に限ったものではない。何世紀も前、沿岸の町々は造船のためにオーク林を育て、将来の船団のための木材の安定供給を確保するために何世代も先を計画していた。このような長期的思考は、産業時代が新しい材料と技術を導入し、私たちの焦点を忍耐と管理責任から速度と効率へとシフトさせるまで続いた。
今日建設される全ての建物が、今から1世紀後の修復のための材料を提供するために特別に植えられた小さな森を伴うと想像してみよう。このような先見性は、建築と景観の両方に回復力を組み込み、デザインと長期的なケアと責任を再び結びつけるだろう。このように育てられた森林は、循環的な材料サイクルを作り出し、持続可能に木材を供給し、採取的な慣行への依存を減らすだろう。
これらの森林は、建物が特別に育てられた木材で修復できるようにすることで文化的連続性を保ち、生物多様性、炭素隔離、より健全な微気候を通じて生態学的回復力を強化するだろう。最も重要なことは、これらが世代間の責任を体現することだ：今日植えることは、私たちの後に来る人々への約束であり、デザインを取引的な行為から管理責任の形へと変えるのだ。
建築を生きた遺産として再考する
このビジョンは純粋に理論的なものではない。世界中の都市がこの哲学を反映した林業ベースのデザイン戦略を取り入れ始めている。米国では、デンバーの都市森林戦略計画が持続可能な林業実践を通じて樹冠を拡大し、気候回復力を高めることを目指している。ジョージアのトビリシでは、「都市の木々チャレンジ」によって、都市の熱と汚染と戦うために何万本もの新しい木が植えられた。中国の長沙では、バシジョウ川森林島プロジェクトが、レクリエーションと洪水や浸食を管理しながら生態学的機能を高める森林景観を組み合わせている。
これらの例はそれぞれ、デザインがエコロジーとインフラの間の橋渡しとしてどのように機能し、進歩と保全のバランスを取ることができるかを示している。それらは短期的な有用性から、時間とともに進化し再生するシステムへの転換を反映している。
木材を使ったデザインは、デザインプロセスにおいて時間を重要な材料として考慮することを要求する。構造物が完成すると同時にプロセスの終わりを示すコンクリートや鉄とは異なり、木材は成長し、年を重ね、更新し続ける。それは自然界が消費されるべき資源ではなく、協力すべきパートナーであることを私たちに思い出させる。
この観点から見ると、自然を念頭に置いたデザインは環境的な実践以上のものとなる—それは、造船や建築のために森林を植えた以前の世代がそうしたように、将来の使用のために材料を育てることを奨励する文化的なものとなる。現代のデザイン思考に自然のサイクルを統合することで、建物や都市が静的な人工物ではなく、環境と連動して進化する生きたシステムであることを認識せざるを得なくなる。
自然はリソースではなく、パートナーである
人工知能、センサー、スマートテクノロジーに魅了される世界において、おそらく都市の未来を守る最も革新的な方法は、時代を超えた知恵を取り入れることだ。真のイノベーションは、自然を追い越すことではなく、その律動に合わせることにあるのかもしれない。
過去から学ぶことと未来のために構築することの間で選択する必要はない。自然を念頭に置いたデザインは、最も永続的なイノベーションが、季節ごと、世代ごとに成長し、私たちの都市の生きた織物となるものであることを思い出させてくれる。
最も先見性のある行為は、今日立っているものをデザインすることではなく、明日それを支えるものを植えることかもしれない。
