AI

2025.12.12 08:15

オフライン回帰が、これからのエンタメを左右する 電通創造進化論――金林真の場合

人工生命や仮想空間などのテクノロジーは、「身体」のありように問いを投げかけている。「動き」とテクノロジーのクロスポイントで活動する電通のクリエイターたちが語る、ポストヒューマンのクリエイティビティ。第3回目は「歩く」から考えるエンタメの未来。

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金林:あれ、こんな会議室ありましたっけ?

 ——もしかして、出社されるのは久しぶりですか?

金林:先週、先々週は全然出社してないですけど、今週は明日も出社するので3回かな。こういうface to faceのミーティングがあるときだけ出社する感じです。昨日は家でオンラインのミーティングを6個くらいやってました。

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 ——1日に6本ですか。

金林:常に7、8本の案件を走らせているので、どうしても……。この前までいた部署では、イマーシブメディア、没入体験ができるメディアとか場所を開発する仕事をしていました。

今は映画のプロモーションのために、ロブロックス(クリエイターが自由にゲームをアップしたり、ユーザーが遊んだりできるプラットフォーム)でのエクスペリエンスを開発するプロジェクトマネージャーをやっています。その他にも、ドローンショーの企画、テーマパークのイベント開発など、人々の体験を最新テクノロジーでアップデートする仕事をしています。

——今はどんなテクノロジーに着目していますか。

金林:ロボティクスとAIが気になっています。今のロボティクスはフィジカルAI、つまり物理に干渉するAIとして存在していて、今後、発展していくのは明らかです。

先日、1X Technologiesの「NEO」というロボットが発表されました。製品化された初めてのホームロボットです。月7万5000円、または300万円で、お手伝いさんのようなことをしてもらえます。

 車の自動運転もロボティクスの一つですよね。この間、アメリカに行った時にFSD(フル・セルフ・ドライビング)機能のついたテスラに乗りました。

 ——いかがでしたか?

金林:ほぼ完全に自動運転なんですよ。スマホで目的地を入れて、自動運転ボタンをピッと押すだけ。5年後、10年後には前を見ていなくてもよくなるはずなので、車の中にいる時間が余暇になります。その時間に何をするか。仕事か遊びのどちらかですよね。 

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text by Yuri Nakausa/ photographs by Yuta Fukitsuka

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