——もともと新しいテクノロジーが好きだったんですか?
金林:ずっとガジェット好きです。これを多くの人が持つようになるであろう、という未来が見えるのが面白いんですよ。この間は発売されたばかりのガジェットを買いにアメリカまで行ってきました。でも、予約していたのに在庫がなくて買えなかったんです。
翌日、ラスベガスでポップアップショップがオープンするというので、カリフォルニアから飛行機で行って、事情を話して、ようやく買えました。そこに来ていたデザインとセールスのチーフに紹介されて、「必要なことがあったら、ぜひ連絡してくれ」と言われて連絡先を交換したので、今後の仕事にもつながると思います。
こうやって足を使って行動すると出会いまで増えるのはとても面白いことだなと思っています。
——そうやってガジェットを買ったり、技術を見たりするためにプライベートで海外に行くことはよくあるんですか。
金林:多いっすね。来週も上海に行きますし。中国でビジネスを行いたい会社が集まった展示会に日本の技術系の会社が出展するんです。そこで展示される技術をみたいと思い。昔から私的研修旅行はよくやってます。
——刺激的なお仕事ですが、どんなところに面白さを感じていますか。
金林:自分の見たい未来を見ていけるところです。「未来を予測する最良の方法は、未来を創ることだ」というピーター・ドラッカーの言葉があるけど、自分で未来をつくっちゃうのが一番早いし、幸運にもそれができる環境にある。プライベートの興味とつながっているのも楽しいところです。

かなばやし・まこと◎電通 エンターテインメントビジネス・センター IP・事業開発部。子どもの頃は、会社経営をしている父親が創作した話を聞かせてくれたり、アメリカを一緒に旅行したり、いろいろな体験をさせてくれた。2009年、慶應義塾大学大学院理工学研究科を修了し、電通入社。スマートフォンを購入して楽しんでいたことをきっかけに、2010年、電通で初めてのスマートフォンメディア担当になる。13年、ARを使った「東京こども新聞」がカンヌ国際広告祭(カンヌ・ライオンズ)でシルバー賞を受賞。営業や事業開発などを経て、2025年から現職。


