ネガティブ思考の循環を断ち切る方法
ネガティブ思考を完全になくすことはできないし、そうすべきでもない。ネガティブ思考はあなたを安全に保つ役割も果たすからだ。しかし、脳が異なる反応をするよう、訓練することは可能である。研究に裏付けられた実践として、次のようなものがある。
・マインドフルネスとグラウンディング
あなたの思考を「評価する」のではなく、それに「気づく」練習をする。そしてネガティブな解釈に気づいたときには立ち止まり、「ほかの見方はあるだろうか」と自分に問いかける。
・感謝とポジティブへの意識
ある研究によれば、感謝していることを定期的に書き出すと、幸福感に関連する脳領域の活動が増加し、ストレス反応が減少するという。
ネガティブ・センチメント・オーバーライドとは反対の「ポジティブ・センチメント・オーバーライド」を強化することで、人はあいまいな状況をより寛大に、または中立的に解釈できるようになる。ポジティブな感情を10〜20秒間意識的に保持すると、それがより深く記憶され、ネガティビティ・バイアスに対抗できるのだ。
・認知的リフレーミング
認知行動療法の技法を用いて、ネガティブな解釈を検証する。「これは本当に敵意なのか、それとも誤解なのか」と自分に尋ねる。
これらの実践によってネガティブ思考を消し去ることができるわけではない。しかし、脳に注意を向けさせる新たな情報を提供することはできる。
ネガティブ思考が心にこびりつくのは、脳は、あなたを幸せにするためではなく、あなたを守るために作られたものであるからだ。しかし、生存のメカニズム、心理的バイアス、感情的ループの働きを理解すれば、それらに介入することができる。ネガティブな思考に気づき、意識的にポジティブな経験を育てることによって、脳がネガティブ思考にしがみつくのを防ぎ、脳がよりポジティブなものを受け入れやすくするよう、訓練することができる。
反復的なネガティブ思考は、反芻思考の傾向につながる。自分にその傾向があるか知りたいなら、科学的根拠に基づいた次のテストを試してほしい。『Mistake Rumination Scale』


