北米

2025.12.05 08:00

米新規失業保険申請件数、前週比2.7万件減の19.1万件に 3年ぶりの低水準

Michael M. Santiago/Getty Images

Michael M. Santiago/Getty Images

レイオフが急増し、労働市場への懸念が米国民の間で続く中、米労働省が現地時間12月4日に公表したデータによると、11月28日週の新規失業保険申請件数が3年ぶりの低水準となったことが分かった。

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11月28日週の新規失業保険申請件数は19万1000件となり、前週の21万8000件(改定後)から2万7000件減少し、ファクトセットがまとめた市場予想の22万1000件も下回った。

この数値は、2023年3月30日の19万1000件以来の低水準である。

継続受給者数(すでに給付を受けている人の数)は193万人となり、前週から1万5000人減少した。

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11月の人員削減は減少も、年間累計はパンデミック以来の高水準

キャリア関連サービス会社のチャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスが4日に公表したレポートによると、予定済みの人員削減数は11月に約7万1000人にとどまり、10月の約15万3000人から大幅に減少した。2025年の累計では117万人に達しており、これはパンデミックで失業が急増した2020年以来の高水準となる。同社は、レイオフの主な理由として、企業による事業再編や事業の閉鎖、市場環境や経済環境を挙げており、11月の人員削減数のうち2000人が関税に関連するものとされ、関税に関連する年初来の人員削減数は8000人となった。

米ADP雇用統計、11月は3万2000人の雇用減

給与計算処理会社のADPは3日、11月の民間部門の雇用が予想以上に冷え込んだと報告した。民間部門の雇用者数は11月に3万2000人の減少となり、4万人の増加という市場予測から大きく外れ、月間の減少幅としては2023年3月以来最大となった。

従業員数が50人未満の小規模事業者が最も大きな打撃を受け、12万人の雇用喪失を報告した。このうち、従業員数20〜49人の企業で7万4000人の減少があった。一方で、従業員数が50人以上の企業は、月間で9万人の純増を報告した。

FRBが来週、さらなる利下げの是非を協議

米連邦準備制度理事会(FRB)は来週、さらなる利下げの是非を協議する予定である。労働市場の冷え込みを示す最近のデータは、FRBが25ベーシスポイントの追加利下げを行い、金利の誘導目標を3.5%〜3.75%の範囲に引き下げるという期待を高めている。CMEのFedWatchツールによれば、市場は利下げの確率を89%と見ていることが分かる。

ニューヨーク連銀のジョン・ウィリアムズ総裁は11月、「近い将来」に利下げの余地があると述べ、そのことが追加利下げに対する楽観的な見方を呼んだ。また、ボストン連銀のスーザン・コリンズ総裁は、FRBは労働市場が「顕著に悪化」している「証拠を見ている」と述べ、この状況が利下げを正当化しうるとした。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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