ChatGPTのリリースから3周年を迎えた今は、生成AIが人間のコミュニケーションや対人関係にどのような変化をもたらしたかを振り返るのにふさわしい節目だと言える。ChatGPTは、他に類を見ない規模とスピードで普及を遂げた。ユーザー数が1億人を突破するまでに要した期間はわずか2ヵ月と、TikTokの9ヵ月、インスタグラムの2年半、フェイスブックの4年半を大きく凌駕している。現在では週間アクティブユーザー数が8億人を超え、世界の成人人口のおよそ10%に相当する規模に達している。
AIが職場を変革しているという記事は数えきれないほど見られる一方で、人間同士の関わり方や社会の基盤そのものをどのように変容させているかを論じたものは多くない。Z世代やアルファ世代がChatGPTをはじめとするAIを使いこなす姿は、人と人、そして人とAIシステムとの未来の関係性を先取りして示している。未来社会はすでに動き始めているが、その恩恵はまだ均等には行き渡っていない。
感情的なサポートのためのAI
ChatGPTが登場した当初、多くの評論家は、その可能性を業務効率化や生産性向上の視点で論じていた。長大なレポートの要約や数時間分の会議の自動文字起こし、スプレッドシートの自動更新など、日常的な反復作業をAIが肩代わりし、人間はより創造的な活動や対人関係にリソースを振り向けられるようになると考えられていた。しかし、蓋を開けてみるとデータが示す現実は異なる。多くのユーザーが仕事に関連したタスクよりも、むしろ感情的な支えを求めてAIを利用しているのだ。
ハーバード・ビジネス・レビューの最近のレポートによれば、2025年におけるAIの主要用途は、セラピーと伴侶的サポートである。つまり、私たちは恐怖や不安、秘密を人間ではなくAIに打ち明けるようになりつつあるのだ。人間のセラピストとは異なり、ChatGPTをはじめとする対話型AIは無料で、24時間365日利用可能だ。支持者は、こうしたAIセラピーが従来支援を受けられなかった人々にメンタルヘルスケアを提供すると評価する一方、批判派は、人間の感情の複雑さや脆弱性をチャットボットに委ねることに警鐘を鳴らす。それでも、Z世代はChatGPTやその他の生成AIを信頼できる相談相手として受け入れている。メディアやテクノロジーの評価とレビューを提供する米・非営利団体、Common Sense Mediaが2025年春に実施した調査では、ティーンエイジャーの33%が、深い相談をする相手として人間よりもAIを選ぶと回答した。Z世代にとってAIはもはや単なる生産性向上ツールではなく、感情面を支える存在である。多くの若者は、人間よりもAIから支援や共感を得ることに、同等かそれ以上の快適さを感じている。



