恋人との強固で揺るぎない関係は運や完璧な相性、運命といったものだけで築かれるのではない。むしろ、カップルが長続きするかどうかは2人が意図的に築く強みに左右されることが多い。これらの強みは互いのニーズにどう向き合って応えるか、そして付き合う上で抱えるストレスをいかに処理し、人生の浮き沈みの中でどう親密さと繋がりを保つかに影響する。
これらの強みは、生まれつき自信のある人や感情面で優れた人だけが持つものではない。どんなカップルも関係を続ける中で身に付けられる学習可能なものだ。この記事では、カップルが関係の中で育める最も強力な強みを3つ紹介する。
1. 愛のある反応
恋愛の科学で何よりも一貫して示されている知見の1つは、パートナーの反応の認識が「感情的な安全と親密さの基盤」だということだ。もしパートナーが“自分の内面を真に理解し、認め、気にかけてくれる存在”だとあなたを認識しているなら(その逆も同様だ)、あなたの関係にはこの強みが備わっている。
理解されていると感じることが親密さを育み、強化する
例えば、専門誌『Personality and Social Psychology Bulletin』に2021年に掲載された研究では、パートナーが自分に反応したと感じた場合、愛情を込めて相手に触れる可能性が高まることが示された。興味深いことに、この触れる行為は翌日、触れられた側が相手は反応してくれる人だと認識することにつながり、「相互の親密さのループ」を形成する。つまり、理解されていると感じることが親密さを育み、それがさらに理解されている感覚を強化する循環が生じる。
警戒心が解け、心を開きやすくなる「安全な場所」
専門誌『Current Opinion in Psychology』に2023年に掲載されたレビューは、反応の認識の重要性をさらに強調し、これを関係プロセスの「共通通貨」と呼んでいる。反応性はストレスの多い瞬間にサポートを提供する、互いの成功を祝う、感謝を示す、共有の意味を築くなど、あらゆる愛情表現が絆を深めるか、あるいは空振りに終わるかを決定するメカニズムだ。
愛のある反応が強力なのは、2人の日常的なやり取りを深く滋養豊かなものにするからだ。相手が自分を理解していると感じると警戒心が解け、心を開きやすくなる。愛着理論の観点からみると、この瞬間に「安全な場所」と感じられるようになる。
恋愛関係で反応性を育む実践的な方法をいくつか紹介する。
・相手の感情状態を認識していることを伝える
相手が何かを共有した時、大小問わず、一旦立ち止まって聞いた内容を思い返し、明確化のために簡潔に言い換える。例えば、相手が仕事について愚痴を言っているなら、「同僚のあの発言に本当にカチンときたようだね」と言う。これはあなたが積極的に耳を傾けていたことを示すだけでなく、どんな状況でも2人は1つのチームだと感じさせる。
・関連する質問をする
「何が起きたの?」ではなく「どんな気持ちだった?」と尋ねると、好奇心と共感に満ちた会話が始まる。
・アクティブリスニングを実践する
相手がストレスを感じている時、即座に解決策を示したくなる衝動を抑えよう。代わりに、共感と忍耐をもって耳を傾ける。これは相手に感情を安全に吐き出す場を提供するだけでなく、問題がある場合、2人で解決策を導き出す可能性を高める。



