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2025.12.05 17:00

恋人との揺るぎない絆は、ふたりで意図的に育む「3つの強み」で生まれる

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2. 協働調整

カップルの感情の調整は本質的に協働調整だ。つまり、それぞれの感情状態は相手の感情状態に影響され、また相手の感情状態に影響を及ぼす。心理学の研究によると、この共有された感情の処理こそが関係の健全性の核心であり、同時に困難なものでもある。

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対立時にネガティブな感情や行動を抑制する

専門誌『Current Psychology』に2025年に掲載された研究では、カップルが感情調整に苦労する場合、カップルバーンアウト(感情的疲労と関係の断絶が混ざり合った消耗状態)に陥りやすいことが明らかになった。この傾向は特に子どもがいるカップルで顕著だった。

興味深いことに、専門誌『Emotion』に掲載された13年間にわたる縦断研究は逆の側面を示している。配偶者(少なくともこのサンプルでは特に妻)が対立時にネガティブな感情や行動を抑制できた場合、その時の夫婦双方の満足度は上昇した。この研究では妻の満足度が10年以上にわたり持続的に向上した。

感情調整が健全な対立の条件を整える

感情面でのこうした安定性は建設的なコミュニケーションも可能にし、感情調整が健全な対立の条件を整えることを示唆している。日常的な観点では、強い関係とは対立のない関係ではない。双方がその時の感情をありのままに受け止め、自律神経を鎮め、亀裂を修復し、共に再びつながる関係だ。

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恋愛関係における協働調整を効果的に育む方法は次の通りだ。

・感情が溢れそうな兆候を自覚する

動悸、視野狭窄、叫びたくなる衝動など感情が溢れそうな兆候を自覚し、相手に「一時停止」の合図を送ることを学ぶ。

・「私たち」という表現を使う

例えば「家族の話になるとあなたはいつもこうなる」ではなく「この感情を私たちはどう処理すればいいだろうか」と問いかける。

・対立後は事後分析する

双方が落ち着いた状態で問題に再び向き合えば新たな視点が得られる。事後分析は「自分の中で何が起きていたんだろう」「あなたを落ち着かせるために私にできたことはあっただろうか」といった自由に回答できる質問から始まる。

・心を落ち着かせる習慣を一緒に実践する

それぞれが自分を落ち着かせることも重要だが、共に落ち着かせることも同様に重要だ。それがまさにポイントだ。短い散歩や抱擁、共に呼吸する、あるいは独自の方法を実践する。こうした小さな習慣が神経系をなだめる。

次ページ > 3. ポジティブさと意味の共有

翻訳=溝口慈子

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