12月に連邦準備制度理事会(FRB)が金利を引き下げる可能性に投資家たちが備える中、今週、ビットコインと暗号資産の価格は反発した。
ビットコイン価格は、8万4000ドル(約1300万円。1ドル=155円換算)を下回る水準から反発し、そこから約10%上昇して9万3000ドル(約1400万円)を突破した。1日の上昇幅として5月以来で最大をつける日もあった。
暗号資産を基盤とするトークン化が「巨大な成長」を遂げると予測
そんな中、世界最大の資産運用会社であるブラックロックのCEOは、今後数年で暗号資産を基盤とするトークン化が「巨大な成長」を遂げると予測した。
運用資産10兆ドル(約1550兆円)のブラックロックを率いるラリー・フィンクは、エコノミストへの寄稿の中で、「トークン化はインターネットのような速度で進展する可能性がある。多くの人が予想する以上の速さで、今後数十年にわたり巨大な成長を示すだろう」と述べ、巨大テクノロジー企業と同様の成長ペースでこの市場が拡大する可能性を示唆した。
「歴史が示すところによれば、現在のトークン化は1996年頃のインターネットと同程度の段階にある。アマゾンの書籍販売額がまだわずか1600万ドル(約25億円)で、今日『マグニフィセント・セブン』と呼ばれる企業のうち3社がまだ設立すらされていなかった頃だ」。
ブロックチェーン基盤のデジタル版金融資産を創造するプロセス
トークン化とは、現実世界の資産や金融資産の、ブロックチェーンベースのデジタル版を創造するプロセスであり、フィンクがウォール街で広く普及させた概念である。
「将来的に、株式と債券を1つのポートフォリオに、そして暗号資産を別のポートフォリオに分けて保有する、ということはなくなるだろう」とフィンクは記した。「あらゆる種類の資産が、1つのデジタルウォレットで購入、売却、保有できるようになる日が来る」。



