経営・戦略

2025.12.04 14:00

ウーバー、米新興Avrideと提携したロボタクシー事業をダラスで開始

Klaudia Radecka/NurPhoto via Getty Images

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自動運転車市場が急速に拡大する中、ウーバーは米国時間12月3日から、ダラスで新たなロボタクシーサービスを開始する。同社は、配送ロボットも手がけるAvrideが開発した自動運転車両を投入する。

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今回サービス開始するロボタクシーは、ダラス中心部の約9平方マイル(約23平方キロメートル)の区域内で、ウーバーのアプリを通じて予約できる。同社の発表によれば、ヒョンデの電動SUV「アイオニック5」を改造したこのロボタクシーは、現時点では予防措置として前席に人間の安全ドライバーを乗せて運行される。UberX、Uber Comfort、Uber Comfort Electricの料金が適用され、チップは不要とされている。競合のウェイモも、2026年にダラスでロボタクシーサービスを展開する予定だ。

オースティンを拠点とするAvrideと進める今回のプロジェクトは、ウーバーが過去2年間に開始または発表した20以上の自動運転ビジネスに関する提携の1つだ。フェニックス、オースティン、アトランタにおけるウェイモのフリート拠点の運営もそれに含まれる。先日、ウーバーは中国のウィーライドと提携し、アブダビでロボタクシーサービスの運用を開始した。これは米国と中国以外で初となる完全自動運転サービスだと同社は述べている。ウーバーは10月、Avrideのオランダの親会社、ネビウスが実施した3億7500万ドル(約582億円)の資金調達ラウンドに参加し、同社のオペレーション拡大を支援した。これには、ウーバーイーツがオースティン、ダラス、ジャージーシティで展開する歩道走行型配送ロボットも含まれる。

「ロボタクシーこそが、我々が創業以来ずっと構築してきたものだ」とAvrideのドミトリー・ポリシュチュクCEOは語った。「自動配送での成功を踏まえ、ウーバーとの協業をさらに拡大し、我々のコア技術を旅客運送にも展開する」。

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ウェイモ、ズークス、中国のバイドゥ、ウィーライド、ニューロなど、テスラを除くほぼすべての自動運転開発企業と同様に、Avrideのロボタクシーは安全性を最大化するため多数のセンサーを搭載している。同社がダラスで運行する各車両は、13基のカメラ、3D画像を取得する5基のライダー、そして4基のレーダーを用いて物体を検知する。

Avrideは比較的新しい企業だが、その起源は2017年にさかのぼる。当時はロシアのテック企業ヤンデックスの自動運転部門としてミシガンで自動運転試験車両を運用していた。2022年にロシアがウクライナへの攻撃を開始した後、ポリシュチュクと多くのチームメンバーはヤンデックスから離れ、完全独立した米国企業としてAvrideを設立することを決めた。

「Avrideはもはやロシアとは完全に無関係だ」と広報担当のユリア・シュヴェイコはフォーブスに語った。「資金的つながりも開発面のつながりも、一切ない」。

Avrideはダラス以外の市場にもロボタクシーサービスを拡大する計画だが、それがいつ頃になるかについて、シュヴェイコは明言を避けた。一方のウーバーは、複数の提携により実現させた自動運転車両を、2026年末までに10以上の都市で運用する意向である。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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