WOMEN

2025.12.04 08:45

280人のコミュニティに。Tokyo Women in VCから見る「女性ベンチャーキャピタリストの現在地と未来」

左からTokyo Women in VC理事・松本美鈴、代表理事・ソフィー・メラリ、理事・鈴木絵里子、メンタリングプログラム責任者・本原陽香。

ソフィー・メラリ:海外の女性VCコミュニティなどは比較的小さいところが多いなか、Tokyo Women in VCはボランティアで6人の運営チームがいて、活発に活動できていることが成功事例だとも思っています。また、東京都、渋谷区、横浜市、神戸市、札幌市からの支援などの自治体からの支援、スポンサー様からの支援もあり、エコシステムを巻き込むような機能、インフラが徐々に作られてきたことも同様です。グローバルでもよく知られる存在となり、欧州の女性VCが日本にきたらまず声をかけてもらえる存在になったりしています。

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現在、Tokyo Women in VCでは、「2030年までに、国内VC業界における女性比率30%を目指す」「2030年までに、国内VC業界における女性の意思決定者数60名(2023年実績の2倍以上)を目指す」という2つのKPI(重要業績評価指標)を掲げています。今までの活動に加えて、参加者によりパーソナライズされたサブコミュニティ、現在あるCVC部会のように、例えば、1・2年目向けのグループなどを作っていったり、GP向けのLP交流会、離職率予防施策などができればと思っています。また、キャリアフェスもすごい反響をいただいたのですが、VCという職種をより広く伝えられたらと思っています。私たちがアクティブにリーチできればと思っていて、大学にも「女性ベンチャーキャピタリストはこういう職種だよ」と伝えていければと思っています。

Tokyo Women in VCは今後、繰り返しにはなるのですが、LPやメンターとのつながりの場を提供して、メンバーからリーダー層を生む活動を増やしたいですね。また、Job Boardを広く展開して、さらに多様な層をVC業界に巻き込むことを進めていければと思っています。中長期的にはメンバーをVCとして成功・昇進に導くために、グローバルベストプラクティスの共有や教育にも貢献しながら、2つのKPIを達成したいと思っています。


ソフィー・メラリ◎Bluefin Partners代表パートナー
フランス出身。EYを経てMIT SloanでMBA取得。米国VCでキャリアを積み、帰国後はEight Roads Ventures Japanで投資・バリューアップに従事。現在はBluefin Partnersを創設し、日本・海外双方の視点を活かして日本の起業家を支援。2020年にTokyo Women in VCを代表理事として立ち上げ、女性キャピタリストの育成とコミュニティ拡大に取り組む。

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松本美鈴◎インキュベイトファンド アソシエイト
1995年生まれ。慶應義塾大学卒業後、楽天を経てスタートアップにてPR・HR・マーケティングを担当し、CBD領域での起業も経験。2021年にインキュベイトファンドへ参画し、新規投資先の発掘からバリューアップまで幅広く携わる。2023年より、一般社団法人Tokyo Women in VCの理事。


鈴木絵里子◎Dears CAPITAL パートナー
女性活躍を通じて中小企業の活性化を図るPEファンドのパートナー。Kind Capitalを通じてサステナブルなエンジェル投資も行う。外資系投資銀行にてキャリアを始め、シリコンバレースタートアップの日本法人設立を経て、ベンチャーキャピタリストに。現在はウェルビーイングコミュニティも主宰し、起業家コーチも務める。また、複数社の社外取締役も。


本原陽香◎NOW パートナー
一橋大学を卒業後、みずほフィナンシャルグループにて投資銀行業務等に従事。ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびその海外投資先のカバレッジバンカーとして、多様な資金調達や上場プロセス等を支援。2021年からNOWに参画し、ベンチャーキャピタリストとして多数の投資支援を実施。2024年よりパートナー。

山本智之=文 若原瑞昌=写真

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