6. Destinus(デスティヌス)
評価額:17億6000万ドル(約2728億円。PitchBook推定)
累計調達額:3億5000万ドル(約543億円)
創業者:ミハイル・ココリッチ
宇宙ビジネスの連続起業家ミハイル・ココリッチが2021年に設立したDestinusは、自律飛行型航空機の開発を手がけている。ココリッチは、これまでDauria SpaceやAstro Digital、ナスダックに上場するMomentusなど、複数の宇宙関連企業を立ち上げた人物だ。
オランダを拠点とするDestinusは、毎月100機以上のドローンをウクライナに供給している。また、2025年8月には、AIを活用した航空管制ソフトウェア企業Daedaleanを2億2300万ドル(約346億円)で買収し、衛星やGPSに依存せず運用できる自律航空機の開発を加速させようとしている。Destinusは2025年、2回のラウンドで合計2億6700万ドル(約414億円)以上を調達した。出資元にはMountain PartnersやThornapple River Capitalなどが含まれる。
7. Govini(ゴヴィニ)
評価額:12億5000万ドル(約1938億円)
累計調達額:1億7400万ドル(約270億円)
創業者:エリック・ギレスピー
米軍向けに、兵器システムの分析を支援するAI搭載のダッシュボードを提供するGoviniの年換算収益は2025年、1億ドル(約155億円)を突破した。たとえば同社のソフトウェアは、軍の潜水艦に搭載される10万点超の部品のように、複雑な防衛装備全体から、修理や交換が必要な箇所を迅速に特定できる。これにより、従来は手作業で膨大な時間と労力を要した工程を大幅に短縮できる。
バージニア州アーリントンに拠点を置くGoviniは、2025年10月、ベインキャピタルから1億5000万ドル(約233億円)を調達した(同社は声明で、創業者エリック・ギレスピーを11月に解任したと発表した。ギレスピーは、未成年との不適切な接触に関連する4つの重罪容疑で逮捕・起訴されており、この件は現在、司法手続きの途上にある)。
8. Tekever(テックエバー)
評価額:11億5000万ドル(約1783億円)
累計調達額:6億500万ドル(約938億円。PitchBook推定)
創業者:リカルド・メンデス、ペドロ・シノガス、ヴィトール・クリスティナ
リスボンに拠点を置くTekeverのドローンは、ウクライナの戦闘地域に配備されている。同社によれば、これらドローンは過去3年間で約40億ドル(約6200億円)相当のロシア軍の資産の破壊に寄与したという。2001年設立のTekeverは、欧州海事安全機関(EMSA)や英国内務省(Home Office)などを顧客に持つ。同社は2025年5月、Ventura CapitalやCrescent Cove Advisors、NATOのイノベーション・ファンドなどから5億ドル(約775億円)を調達した。
9. Apex(エイペックス)
評価額:10億ドル(約1550億円)
累計調達額:5億ドル(約775億円)
創業者:イアン・シナモン、マックス・ベナッシ
2022年に設立のロサンゼルス拠点のApexは、米宇宙軍を含む顧客が独自のコンポーネントや兵器システムを搭載できる衛星本体を製造している。2025年2月に4590万ドル(約71億円)の宇宙軍からの契約を獲得した同社は、2025年の2つの調達ラウンドで合計4億ドル(約620億円)を、8VCやアンドリーセン・ホロウィッツ、ポイント72ベンチャーズなどから調達した。Apexは2025年8月にフォーブスの「Next Billion-Dollar Startups」リストに掲載され、その2週間後にユニコーン入りした。
10. Forterra(フォルテラ)
評価額:10億ドル(約1550億円)
累計調達額:5億1300万ドル(約795億円)
創業者:アルベルト・ラカーズ、カール・マーフィー
メリーランド州クラークスバーグに拠点を置くForterraは、米陸軍から1億1800万ドル(約183億円)規模の契約を獲得し、地雷除去などの任務をこなせる軍用の自律走行車両を提供している。2002年設立の同社は、ムーア・ストラテジック・ベンチャーズやセールスフォース・ベンチャーズ、Litquidity Capitalなどから2億3800万ドル(約369億円)を調達した。Forterraは、フォーブスの「Next Billion-Dollar Startups」リストに掲載されてからわずか1週間後にユニコーンとなった。


