ロシアの石油インフラを圧迫
キーウ・インディペンデントによると、タンカーに対する攻撃の翌日、ウクライナの無人艇はノボロシースクの「カスピ海パイプライン・コンソーシアム(CPC)」の海上ターミナルを攻撃し、施設側は積み出し作業の全面停止に追い込まれた。攻撃で第2係留ポイントが深刻な損傷を受け、港湾当局はすべてのタンカーに湾内エリアからの退去を命じた。
このパイプラインターミナルが攻撃を受けるのはここ数カ月で3回目であり、11月29日に先だち9月と11月中旬にも攻撃されていた。
タンカーやパイプラインに対する一連の攻撃は、ロシアの石油輸出能力にさらに圧力を加えるものだ。石油輸出はロシア経済の生命線であり、ウクライナはそれを狙った攻撃を増やしてきた。石油の輸送船と積み出し施設の両方をたたくことで、ウクライナはロシアのエネルギー収入を抑制するとともに、黒海地域全体への戦力投射能力を実証するという、連携させた戦略を追求しているように映る。
ウクライナの戦略はここへきて連携性を高めているように見受けられ、ロシアの石油を運ぶ船と、その輸出を支えるインフラの両方にダメージを与えている。ロシアにとって原油と石油製品は最も重要な収入源であり、国際エネルギー機関(IEA)によると10月にはその販売によって131億ドル(約2兆400億円)を稼いだ。依然として大きな額ではあるものの、前年同月に比べると23億ドル(約3600億円)減少している。
ロイター通信によると、ロシアの11月の石油・天然ガス収入は前年同月比約35%減の5200億ルーブル(約1兆500億円)に落ち込むと推定されている。原油安とルーブル高が背景にあり、1〜11月では前年同期比22%減少している。
ロシア国内では同時に、戦争にともなう政治コストも高まっている。英紙フィナンシャル・タイムズによると、クレムリンは来年からの不人気な付加価値税(VAT)引き上げについて、責任を西側に転嫁する指針を国営メディアに通達した。戦費を賄うための増税に関して、国民の怒りの矛先がウラジーミル・プーチン大統領に向かわないようにする取り組みの一環だ。クレムリンのプレッシャーをさらに高めるような動きとして、ロシア紙コメルサントは11月22日、極東サハ共和国のイワン・アレクセーエフ財務相が、ウクライナでの戦闘参加者への支払いが予算不足のため一時停止されたと報告したことを報じている。


