ハワイに来る観光客のなかにもいまだ知らない人がいるくらいだから、日本に住む読者に知らない人がいたとしても無理はない。実は、ハワイのオアフ島には鉄道が走っている。
その名も「スカイライン」。この名前がまた、日本人には自動車として馴染み深い名前だけに紛らわしい。地下鉄でも、地上に線路が敷かれた列車でもなく、高架橋により地面より高い中空に線路を設置し、その上を走るので「高架鉄道」と呼ばれている。日本国内だと街中を走るモノレールや東京の「新交通ゆりかもめ」をイメージすると早いかもしれない。
その「スカイライン」が珍しく日本でも報じられた。2025年10月16日、2年ぶりに新路線が開通し、新たに加わった4駅のなかにホノルルの「ダニエル・K・イノウエ国際空港」直結の駅が入っているものだから、ハワイに行く観光客にも朗報ではないかと日本国内のメディアが一斉に報じた。
車輌を開発したのは日本の日立で、日立といえばメディア産業にとっては5本の指に入る大広告主でもあるわけだから、その広報部からのプレスリリースに反応したということもあるのだろう。
これまで「スカイライン」は、西端の「イースト・カポレイ」駅から東に向けて走り、マイケル・ジャクソンがコンサートを開いた会場として知られる「アロハスタジアム」の駅までしか通っていなかったが(開通は2023年)、新たに4駅延伸してダウンタウンの隣、カリヒ地区の「ミドルストリート・トランジットセンター」駅まで開通した。
この最終駅は、これまでオアフ島の主要公共交通であるザ・バスの乗り換え拠点として知られており、至近には日系スーパーの「マルカイ・ホールセールマート」がある。ホノルルの住人からすると、「だいぶ近くまで来たな」という印象だ。
アロハスタジアム駅の次が、米軍の施設が多くある「パールハーバー・ヒッカム」駅、その次が「ダニエルKイノウエ国際空港」駅、「ラグーンドライブ」駅と続いて「ミドルストリート・トランジットセンター」駅まで連なる。どこまで行けるかは別として、国際空港に到着してからの移動手段が1つ増えたのは大きな変化と言える。



