資産運用

2025.12.04 13:00

AI銘柄こそ避ける、米著名バリュー投資家が選んだ「3つの割安株」

Wachiwit / Getty Images

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運用資産が350億ドル(約5.4兆円。1ドル=155円換算)の米投資会社Hotchkis & Wiley(ホッチキス&ワイリー)は、他のバリュー投資大手と同様に、割安で不人気な銘柄をファンドに組み入れることで知られている。そこで本稿では、同社のポートフォリオマネジャー兼プリンシパルのデービッド・グリーンが、人工知能(AI)が株式市場を席巻する中で、この“古典派”の投資哲学をどう守り続けているのかを解き明かす。

過熱したAI市場を避け、投資家に見捨てられた割安な優良企業を探る逆張り戦略

ロサンゼルス拠点の資産運用会社、Hotchkis & Wileyに長年勤務するグリーンは、AIに取り憑かれた市場の中で、あえて逆張りの姿勢を強めている。彼が手がけるファンドの1つで7億6700万ドル(約1189億円)を運用する「Hotchkis & Wiley Value Opportunities Fund(HWAIX)」は、AIブームの中で投資家に見捨てられ、誤った値付けが放置された銘柄を、大小を問わず探し出している。

この逆張りのスタンスは、創業45年の同社のバリュー投資の規律に根ざしたもので、テクノロジー色の強い株価指数が好調を続ける中でも一定の成果を出している。

支配的な地位と強固な財務基盤を持つ、日の当たらない不人気銘柄に着目

グリーンは、投資家がAIブームの恩恵を受けないと判断した、日の当たらない銘柄を静かに買い増してきた。たとえばソフトウェア企業のWorkday(ワークデイ)、通信機器大手のEricsson(エリクソン)、引越し・保管サービス大手のU-Haul(Uホール)などだ。この3社に共通するのは、市場で支配的な地位を占め、競争力と強固なバランスシートを備えているにもかかわらず、割高な市場の中でバリュエーションが大きく押し下げられている点だ。

「投資家は一部の高騰した銘柄に強く引き寄せられている。そのため、ほかの領域にチャンスが生まれている」とグリーンは語る。

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翻訳=上田裕資

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