プログラミング支援特化の「Claude Code」が急速に普及し、起爆剤に
このトレンドは2025年夏以降に鮮明になったと、アンソロピックのマイク・クリーガーCPOは語る。特に、生成AIによるプログラミング支援に特化した「Claude Code(クロード・コード)」が5月に正式公開され、急速に普及したことが転機となった。
法人向けに3つの主要製品を展開し、顧客の利用を広げる戦略を確立
一般ユーザーにとってClaudeは、旅行の計画、メール文面の作成、検索などを手伝うChatGPTと同様のチャットツールという印象が強い。一方法人向けには、アンソロピックは3つの主要製品を揃えている。
1つ目は生成AIを活用したプログラミング支援に特化した「Claude Code」。次に、医療や法律など規制の厳しい業界にも対応できる高度なセキュリティと管理機能を備えた法人向け「Claudeチャットボット」。そして最後が、ClaudeのAPIにアクセスしたり、Claudeのモデル群の上に独自ツールを構築したりするための「Claude Developer Platform」だ。
これらの各製品が次の利用を呼び込む“連鎖”が起きていると気づいたアンソロピックは、その流れを強める方向へ製品や価格体系を調整し、パッケージ化の検討も進めた。そうして確立されたのが、まず小さく導入してもらい、そこから利用範囲を広げてもらう「ランド・アンド・エクスパンド」型の法人向け戦略だとクリーガーは語る。
コーディングからClaudeを使い始め、利用範囲を広げる傾向
アンソロピックが特に注目したのは、多くの顧客がまずコーディングツールからClaudeを使い始め、そこから利用範囲を広げていく傾向だった。「Claudeに慣れ、気に入ってもらい、やがて社内に展開していく“入口”はどこなのか。それを探っていく中で、コード関連が圧倒的な加速装置になっていることが明確になった」とクリーガーは語る。
3カ月で年換算売上が約775億円に達し、成長を牽引
実際、アンソロピックが「史上最も成長スピードの速い製品の1つ」に位置づけるClaude Codeは、2025年5月の正式リリースから3カ月で年換算売上5億ドル(約775億円。1ドル=155円換算)に到達した。ただし同社は、他の法人向け製品の売上については開示を拒んでいる。


