暗号資産

2025.12.03 09:00

イーロン・マスクが再び衝撃予測、米国の「債務危機」はビットコインの高騰を生むか

Anna Moneymaker/Getty Images

Anna Moneymaker/Getty Images

米国の債務残高が38兆ドル(約5936.5兆円。1ドル=155円換算)を超える中、イーロン・マスクが「マネーは価値を失い、エネルギーだけが真の通貨になる」と警告し、ビットコイン高騰の可能性を改めて示唆している。

2008年の金融危機やコロナ禍の景気刺激策を経て、法定通貨の価値希薄化に備える「ディベースメント取引」が広がり、金・銀・ビットコインはここ数年で大きく値を上げてきた。しかし足元では金と銀だけが上昇する一方でビットコインは下落しており、暗号資産が本当に安全資産になり得るのか、市場では見方が割れている。

米国の債務危機を警告するマスク、エネルギーだけが「真の通貨」になると発言

テスラとスペースXを通じて20億ドル(約3100億円)近くのビットコインを保有する億万長者のイーロン・マスクは、ビットコイン価格を爆発的に高騰させる可能性のある米国の「債務危機」について再び警告した。

10月上旬に過去最高の12万6000ドル(約2000万円)に達して以来急落するビットコイン価格だが、過去2年間では200%近く上昇している。これは、金の場合と同じく、トレーダーたちがいわゆる「ディベースメント取引」に賭けているためだ。

そんな中、マスクは将来的に「お金という概念が消滅する」と予測し、エネルギーだけが唯一の「真の通貨」であると発言した。

マスクはニキル・カマスとのインタビューで、「だから私はビットコインはエネルギーに基づいていると言ったのだ」と述べた。「エネルギーを法的に規制することはできない」。

AIをめぐる「世界的な軍拡競争」が金・銀・ビットコインを高騰させている

10月、マスクはXへの投稿で、「ビットコインはエネルギーに基づいている。偽の法定通貨は発行できるし、歴史上のすべての政府がそうしてきた。しかし、エネルギーを偽造することは不可能だ」と投稿し、AIをめぐる「世界的な軍拡競争」こそが、近年、金・銀・ビットコインの価格すべてが高騰している理由であるという意見に同意している。

ビットコインは、新しく発行されたビットコインを受け取る代わりに、強力なコンピューターを使って取引を検証する、いわゆるマイナーたちのネットワークによって守られている。そのエネルギー需要は、より多くのマイナーがネットワークに参加するにつれて価格と共に上昇し、年間で一部の小国と同じくらいの電力を消費している。

ここ数カ月、ドルなどの伝統的な通貨に逆張りし、金・銀・ビットコインのような「ハード」な資産に賭ける「ディベースメント取引」が活発化し、トレーダーは金、銀、ビットコイン価格を記録的な高値に押し上げている。

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翻訳=江津拓哉

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